News 2003年3月7日 08:51 PM 更新

映画のようなゲームをローエンドでも──低価格版「GeForce FX」発表

米NVIDIAの最新GPU「GeForce FX」ファミリーとして、低価格版の「GeForce FX 5600」/「GeForce FX 5200」を発表。GeForce FX 5800で業界を驚かせた「シネマティックコンピューティング」技術を普及価格帯に広げた

 米NVIDIAは3月7日、最新GPU「GeForce FX」ファミリーとして3月6日に発表した「GeForce FX 5600」/「GeForce FX 5200」の国内メディア向け説明会を都内で開催した。昨年11月に発表されたハイエンド向けのGeForce FX 5800は、映画クオリティのPCゲームを可能にする「シネマティックコンピューティング」で業界を驚かせたが、新製品ではこの新技術を普及価格帯に広げた。


シネマティックコンピューティング技術を搭載した普及価格の「GeForce FX」(写真は5600)

 新製品の位置付けは、「GeForce FX 5600」がメインストリーム向け、「GeForce FX 5200」がバリューPCなどローエンド向けとなる。「従来製品に置き換えると、GeForce 4 Ti 4800SEが狙っていたところに5600を、GeForce 4 MX 440の市場に5200を投入するカタチ」(同社)。

 5800では、コアクロックとメモリクロックの異なるバージョン(GeForce FX 5800/同ULTRA)があったが、5600/5200にもノーマル版とULTRA版が用意される。ただし、5600は発売当初はULTRA版のみとなる。新GPUを搭載したグラフィックボードは、サードパーティ各社から4月に発売される予定。

 価格に関しては「各メーカーが決めること」(同社)としているが、米国での市場予想価格は5600 ULTRAが180−250ドル、5200/同 ULTRAが99−149ドルとなる見込み。「日本では米国リテール価格より若干高くなるかもしれない」(同社)ということなので、5600 ULTRAが3万円前後、5200/同 ULTRAが1万5000−2万円前後といったところだろう。

 5600 ULTRAは、コアクロックが350MHzでメモリクロックが700MHz。5800と同じく0.13マイクロメートルプロセスで製造され、DDR IIを採用している。一方、5200 ULTRAは、コアクロックが325MHzでメモリクロックが650MHz。プロセスルールは0.15マイクロメートルで、メモリはDDR Iを使っている。

 GPU性能は、1世代前のGeForce 4シリーズと比べて大幅なパフォーマンス向上が図られた。5600/5200ともに、従来のカテゴリ製品(GeForce 4 Ti/同MX 440)と比べて約2倍に性能アップし、他社競合製品とのベンチマーク比較でも、1.5−2倍の性能向上が示された。


5600とATIのRADEON9500とのベンチマーク比較

 実は今回の新製品は、コア/メモリクロック以外の機能面で、ハイエンドの5800との違いは意外と少ない。フィルレートが1クロック当たり4ピクセル(5800は8ピクセル)になっているほかは、5200でZ圧縮機能が省略されているぐらいだ。「先進のバーテックスシェーダ/ピクセルシェーダを備えた“CineFXアーキテクチャ”や、AGP 8xへの完全対応、UDAサポートなど、5800と同じシネマティック・コンピューティング機能を搭載したのがGeForce FXファミリーの売り」(同社)。

 つまり、5800譲りの高度なリアルタイムレンダリング技術を、ロー/ミドルレンジ製品で惜しげもなく投入している点が、高いパフォーマンスの理由なのだ。

 説明会では、昨年12月に行った5800の説明会の時と同じ3Dグラフィックスのデモを、ローエンド向けの5200でリアルタイムに動かし、低価格帯モデルでもCG映画のようなクオリティのPCゲームが楽しめる点をアピールした。


妖精「Dawn」のデモを5200でリアルタイムで動作。感情に合わせて表情が生き生きと変わるCineFXアーキテクチャの効果がローエンドモデルでも再現できる

 また説明会では、今年9月に商用サービスが予定されているNCSoftのMMO RPG「リネージュ II」の紹介も行われた。NCSoftは、リネージュIIのグラフィックハードウェアとしてNVIDIAのGPUを推奨するなど、両社は協力関係にある。「リネージュIIの開発には、NVIDIAのGPUが使われた。リネージュ IIに採用した次世代3Dエンジンは、GeForce FXの“Cine FXアーキテクチャ”の特徴的な機能を多く利用している」(エヌ・シー・ジャパン代表のCHOI Suk Woo氏)。


今年9月に商用サービスが予定されているMMO RPG「リネージュ II」

 リネージュ IIは、登場するキャラクタをはじめ背景やフィールドまでフル3D化された画面が特徴だが、それだけにPC側のスペックにも高いグラフィックス処理性能が求められる。ゲームを快適に動作させるための推奨スペックは、CPUがPentium 4/1GHz以上でメモリは512Mバイト以上と、PCの基本性能だけでもハイスペックだが、フル3D画面をスムーズに表示させるためのキーパーツとなるグラフィックボードになると「GeForce 4 Tiクラス以上」とさらに敷居が高い。


キャラクタをはじめ背景やフィールドまでフル3D化されたリネージュ IIは、動作スペックも厳しい

 昨年、「FINAL FANTASY XI for Windows」の影響でGeForce 4 Tiがよく売れた。今後は、“人気オンラインゲームを快適に楽しむには、GeForce FXが必須”となっていくのだろうか。

チップの供給量は?放熱問題は?

 昨年11月に発表し、今年2月には発売されている“はず”だった5800搭載グラフィックボードは、いまだに店頭に姿を見せない。そうこうしている間に、ライバルのATI Technologiesは、新グラフィックチップ「RADEON 9800 PRO」を3月5日(現地時間)に発表。今月中にも搭載グラフィックボードが出荷される予定だ。

 「5800は今月中、それも近いうちに出荷されるが、初回の出荷量は少ない。だが5600/5200は、4月の発売時点で十分な数を出荷できそうだ」(同社)。

 また、5800はコアクロック(500MHz)やメモリクロック(1GHz)がCPU並みの動作クロックなので、発熱もかなりのものになる。そのため独自の冷却機構「FXFlow」が搭載されるが、これの騒音がハンパじゃないというウワサだ。だが今回の新製品は、動作クロックが低いこともあり、放熱のためのファンの大きさは通常のグラフィックボード並みとなっている。「5800は確かにうるさかった。だが今回の新製品は、発熱量も少なく非常に静かになっている」(同社)。


放熱のためのファンの大きさは通常のグラフィックボード並み


NVIDIAの発表資料にはファンレス(ヒートシンクのみ)の5200も



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[西坂真人, ITmedia]

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