News 2003年3月13日 01:41 AM 更新

開発責任者が語る、Centrinoの現在・過去・未来(3/3)


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Perlmutter:Pentium Mも現在のPentium 4と同じぐらいにクロック周波数を上げることができるでしょう。しかし、条件を付けずに最もハイパフォーマンスなプロセッサは何かと言えば、現時点でそれはPentium 4です。Pentium Mは一定の消費電力という枠の中で、最もハイパフォーマンスな製品という性格の違いがあります。

――ZDNet:つまり、現在のPentium Mはクロック周波数の限界が1.6GHzというわけではなく、消費電力とのバランスを考えて1.6GHzに設定されているということでしょうか?

Perlmutter:おおむね“イエス”と言えるでしょう。単にクロックを上げるだけならば、もっと上を狙うことも可能ですが、消費電力とのバランスで最高1.6GHzになっています。

――ZDNet:ならば省スペースデスクトップ向けに、もう少しTDPを引き上げたPentium Mがあれば、特定の分野ではデスクトップ用のPentium 4よりも良いプロセッサになるのではありませんか?

Perlmutter:確かにある意味において、Pentium MのアーキテクチャはデスクトップPCでも有効かもしれません。しかし例えば、6リットル程度の省スペースデスクトップPCの場合は、ノートPCよりもはるかに熱設計の制約は少ない。従ってPentium 4の方が良いソリューションと言えます。

――ZDNet:単に省スペースデスクトップPCで使えるかどうかではなく、より静かでデザインの自由度が高いデスクトップPCを追求すれば、Pentium Mの技術が生きるのでは?

Perlmutter:現段階では何もコメントできません。

 個人的には、そうした可能性もあり得るとは思います。しかし、小型化や静音化だけであれば、Pentium 4ベースでも可能だと考えています。

 ただ、われわれの顧客(PCベンダー)は色々なアイデアで製品を作ります。実際、デスクトップPC用のPentium 4をノートPCに使ったりといった、Intelの意図とは別の動きをするPCベンダーも少なくありません。

 ですから、われわれの関与しないところで、デスクトップPCにPentium Mを搭載しようとするベンダーは現れるかもしれないですね。

――ZDNet:先日開催されたIDFで、Pentium M設計チームを率いたMooly Eden氏は、90ナノメートルプロセスを採用する次世代Pentium M(Dothan)について、現行Pentium M(Banias)のマイクロアーキテクチャを拡張したものになること。そして、Intelとして最初の90ナノメートルプロセスのプロダクトになると話していました。

Perlmutter:Intelとして初の90ナノメートルプロダクトではありません。90ナノメートルプロセスを採用する最初のIntel製モバイル製品ではあります。時期的には次世代Pentium 4のPrescottとほぼ同じですが、DothanとPrescottの比較でどちらが先なのかは、まだハッキリしていません。しかし、ほぼ同時であるとは言えます。

 マイクロアーキテクチャに関しては、確かに改良を加える予定ですが、私からは何も言えません。

――ZDNet:Dothanのマイクロアーキテクチャの改善は、消費電力とパフォーマンスの両方を改善するものなのでしょうか?

Perlmutter:イエス! しかし、それ以上は言えません。



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[本田雅一, ITmedia]

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