News 2003年4月3日 11:07 PM 更新

新世代RADEON出撃、狙うは“GeForce FX撃破”

RADEON9800、9600、9200シリーズが正式発表。次から次へと登場するGeForce FXとのベンチマーク比較グラフで、ATIはRADEONシリーズのアドバンテージをアピールした

 ATIテクノロジーズは4月3日、経団連会館においてRADEON 9800 Ultraを始めとする新しいRADEONシリーズラインナップの発表会を行った。

 デスクトップソリューションとして今回発表されたのは、以下の3シリーズ6製品。

  • RADEON 9800 PRO(ビデオメモリ128MB)
  • RADEON 9800 PRO(ビデオメモリ256MB)
  • RADEON 9600 PRO
  • RADEON 9600
  • RADEON 9200 PRO
  • RADEON 9200

 RADEON 9800 PROは開発コード名「R350」と言われていたもの。RADEON 9700 PRO後継のビデオチップ最上位バージョンとなる。

 AGP 8X対応、256ビットのメモリインタフェース、Pixcelパイプライン8本、Vertex Shaderエンジン4ユニットと、基本的なアーキテクチャはRADEON 9700 PROを継承。ただし、動作クロックはコアクロック380MHz、メモリクロック340MHzと、RADEON 9700 PROと比較して、それぞれ55MHz、30MHz高速になった。

 RADEON 9700 PROで採用されたCinematic Architectureは第2世代となり、SMARTSHADERとSMOOTHVISIONはともに2.0から2.1にバージョンアップ(ただし、SMARTSHADERがサポートするPixcel ShaderとVertex Shaderはともに2.0のまま)。新技術「F-buffer」の採用によって、Pixcel Shaderで使われる命令長が無制限になり、6XのFAAや16XのAnisotropic Filteringに対応する。


主要3Dグラフィックスベンチマークで測定したRADEON 9800 PRO、RADEON 9700 PRO、GeForce FX5800 Ultraの相対パフォーマンス(RADEON 9800 PROを100とする)。ATIテクノロジーズではGeFore FX 5800 Ultraの2倍、RADEON 9800 Ultraの20%アップとしている

 RADEON 9600シリーズは高クロック動作バージョンのRADEON 9600 PROとRADEON 9600の2製品。RADEON 9500シリーズの後継となる。

製品名コアクロックメモリクロックPixcelパイプラインVertex Sharderエンジン
RADEON 9600 PRO400MHz300MHz42
RADEON 9500 PRO275MHz275MHz84
RADEON 9500275MHz250MHz44
RADEON 9600 PROとRADEON 9500 PRO/9500のスペック

 PixcelパイプラインとVertex Shaderエンジンの数はRADEON 9500 PRO/RADEON 9500より少なくなっているが、動作クロックがコアクロック400MHz、メモリクロック300MHzとかなり高速になっている。

 これは、プロセスルールに0.13μプロセスを採用したため。ATIテクノロジーズではRADEON 9700 PROの時、その生産性に不安を感じ0.15μプロセスを採用した。だが「昨年末からは生産上の問題はほとんどなくなった」(ATIテクノロジーズジャパン PCビジネス・ユニットアプリケーション エンジニアリング グループ部長 信垣育司氏)ので、切り替えたという。

 Direct X 9.0、SMOOTHVISION 2.1サポートはRADEON 9800と同じだが、SMARTSHADERは従来どおりの2.0サポートとなっている。


主要な3Dベンチマークで測定したRADEON 9600 PROとGeForce FX5600 Ultraの相対パフォーマンス。ATIテクノロジーズの評価では「約20%のアドバンテージを確保している」(信垣氏)

 RADEON 9200シリーズは、RADEON 9000シリーズの後継となる。そのため、サポートする機能もDirect X 8.1、Pixcelパイプライン4本、Vertex Shaderエンジン2ユニット、SMARTSHADER1.0(Pixcel Shader1.4、Vertex Shader1.4)、SMOOTHBISION1.0とRADEON 9000シリーズと同じだ。


主要3Dベンチマークで測定したRADEON 9200 PROとGeForce FX5200の相対パフォーマンス。RADEON 9600 Ultraほどではないにしても、Geforce FX5200 Ultraを上回っている。

 新しいRADEONシリーズを搭載したビデオカードはまもなく出荷される予定(RADEON 9800 PRO 256Mバイトバージョンは4月中の出荷予定)。ちなみにATIテクノロジーズ製品の想定実売価格は「RADEON 9800 PROで4万円後半から5万円前半。RADEON 9600 PROで3万円後半から4万円弱」(ATIテクノロジーズジャパン セールス・アンド・マーケティング部長 松田 茂氏)。

 ただし、RADEON 9200シリーズについては「ATIテクノロジーズからビデオカードとして出荷するかどうかは、市場の動向を見ながら検討する」(松田氏)と、販売しない可能性を示唆している。

関連リンク
▼ ATIテクノロジーズ

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[長浜和也, ITmedia]

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