News 2003年4月23日 11:59 PM 更新

Parheliaコアを搭載したミドルレンジビデオカード「Millennium P」シリーズ発表

久々に登場した伝統のMillenniumは、Parheliaの機能をシュリンクさせて購入しやすい価格に。また、気になるDirect X 9.0対応ドライバの投入予定も明らかにされた

 Matroxとジャパンマテリアル インフォマジック事業部は、4月23日にビデオカード「Millennium P」シリーズを発表した。ラインアップはMillennium P750と同P650の2製品。価格はP750で235ドル、P650で165ドル。


製品発表会で展示されていたMillennium P750

 今回登場したMillennium Pシリーズは、当社の最上位ビデオチップ「Parhelia」と同じアーキテクチャながら、ビデオメモリ最大容量128MB、メモリバス128ビット、Pixelパイプライン2本、VertexShader2ユニットと、それぞれスペックを半減させた「Parhelia-LX」を搭載している。動作クロックは未公開ながら、Matroxの資料では、2D描画パフォーマンスでParhelia 512の80%、3D描画で50%と紹介している。


Matrox製品のポジショニング。Milennium Pシリーズは、Parheliaの下のラインとして位置付けられる。なお、G450/550も販売を継続する

 一方でAGP8Xに対応し、Dual DVI出力時にはそれぞれの画面で異なる解像度を設定できるなど、Parheliaを上回る機能が追加されている。また、Parheliaと同じく、Direct X 8.1とOpenGL1.3に対応する。

 上位機種P750と下位機種のP650の違いは対応する出力。P750はTripleHeadとテレビ出力をサポートするが、P650はDual Head Displayにしか対応しない。それ以外の仕様は共通。なお、ParheliaーLXはスペックとしてビデオメモリ128Mバイトに対応するが、Millennium Pシリーズのビデオメモリは64Mバイト。現在のところ128Mバイト搭載モデルの予定はない。


Parhelia 512、Millennium P750/650、Millennium G550のスペック比較。メモリバス、ビデオメモリ容量、TripleHead対応、WYSIWYG対応に違いが見られる


ここでは、パイプラインやSharderユニットの数、サポートする描画機能の比較を行っている。Parheriaとくらべ、Millennium Pが搭載するParhelia-LXはユニットなどが半減しているが、Matroxのコメントでは、コアの中でDisableになっているだけとしている

 Parheliaはアーキテクチャ的にDirect X 9.0に対応しているが、ドライバが依然としてDirect X 8.1のまま。この件について、インフォマジック事業部 技術開発部係長の島袋晃氏は「現在、Direct X 9.0に対応したドライババージョン1.4がベータ段階。5月には配布を開始できる見込み」と語った。

 当日東京で行われた発表会には、同社セールスマネージャーのJohn Quach氏も出席し、Matroxの製品戦略について述べた。


Matroxセールスマネージャー John Quach氏

 Quach氏が語る「Matroxの基本コンセプト」は「生産性の向上」。同社ビデオカードの特徴でもある、DualHead機能が5年前に登場したとき、その必要性に多くのユーザーから疑問が寄せられたが、二つの画面を使い分ける快適な作業性が次第に評価され、現在では、ほとんどのビデオチップベンダーでこの機能をサポートしている。ParheliaでサポートしたTripleHead はこのコンセプトを拡大させたもの。前回と同様、必要性に疑問を感じているユーザーも多いが、いずれ理解されていくだろうと、Quach氏は考えている。

 現在、Matroxが最優先で取り組んでいるのが「2D表示において、いかにして画質を向上させていくか」。最近のコンシューマービデオカード市場で、3D描画のパフォーマンスが最も求められているのを認めた上で、「それでもテキストや写真、図面の表示で高画質な2D表示が求められている」と、これからも2Dの表示品質を重視した戦略でいくことを明らかにした。

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[長浜和也, ITmedia]

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