News 2003年5月8日 09:19 PM 更新

PCを買わない“3分の1の人々”の心理

世帯当たりのPC普及率は63.3%となったが、PC出荷台数は頭打ちの傾向。全体の約3分の1を占める“まだPCを持っていないユーザー層”の心理とは?

 3人に2人はPCを所有している時代になった。

 内閣府経済社会総合研究所が4月25日に発表した2003年3月末の耐久消費財の普及率によると、世帯当たりのPC普及率は63.3%となり、前年同期(57.2%)に比べ6.1ポイント上昇した。これは、CDプレーヤー(60.3%)やステレオ(55.2%)を上回る普及率だ。

 ただし既報の通り、数年前まで右肩上がりで急伸してきたPC出荷台数は2000年度をピークに減少に転じ、2002年度(2002年4月−2003年3月)はとうとう1000万台を下回ってしまった。このようなPC出荷状況をみると、PC普及もそろそろ頭打ちになってきた感は否めない。

 今後のPC出荷動向を左右するのが、全体の約3分の1を占める“まだPCを持っていないユーザー層”だ。

 電子情報技術産業協会(JEITA)は昨年末に、“PC未購入者層”を対象とした「PC購買動向調査」を実施。その調査結果をこのほど発表した。

 調査は昨年12月6日から26日までの3週間で郵送アンケート形式で行われ、自宅にPCを所有していない男女(サンプル数520人、年齢18‐79歳)を対象に実施された。

 その調査結果によると、「会社や学校などで仕事/勉強にPCを使っている」(34.2%)、「PC教室や、公共施設などに設置されたPCなどを使ったことがある」(21.7%)と、半数以上のユーザーがPC利用を経験しており、まったくPCを使ったことがないユーザー(43.5%)を上回っている。

 PCがあらゆる場面で使われている現代は、自宅にPCを持っていなくても何らかのカタチでPCに触れる機会があり、未保有者でも半数以上がPCがどのようなものなのか、そして何ができるのかを理解していることが回答から読み取れる。

 さらにPCを生活に活用することについての質問では、「きっと楽しいと思う」(38.2%)、「少しは楽しいと思う」(33.5%)と答えており、7割以上のユーザーが“PCによって生活が楽しくなるのでは”との期待を持っていることが分かる。


 ところが、自宅でPCを所有することの必要性については「非常に必要」(6.9%)、「多少は必要」(33.1%)と、4割のユーザーしかPCの必要性を感じていないという結果で、さらに「PCが自宅にないことで、不便や不満を感じることはあるか」との問いには、76.3%のユーザーが「不便・不満なし」と答えている。


 つまり、PC未保有者のほとんどが「PCによって生活は楽しくなるだろうが、自宅になくても不便さはそれほど感じない」と考えているために、これらユーザー層がPC購買に結びつかないのだ。

 ただし、今後のPC購入予定については、「1年以内に購入するつもり」といった明確な購入意思を示すユーザーこそ5.9%と少ないものの、43.8%が「購入したいが時期未定」と答えており、条件さえ合えばPC未保有者層の半数はPC購買に結びつく可能性があることも分かる。

 PCを自宅で所有しない理由のトップは「PCが高価・資金不足」(46.2%)だが、それに続くのは「使いこなせるか自信なし」(38.1%)「PCの使い方が分からない」(35.6%)「PCの役立て方が分からない」というように、決して安くはないPCを購入して、果たして活用できるのかといった不安が購買意欲を減退させている点も興味深い。

 購入したい耐久消費財では、「家電製品」(32.7%)や「自動車・バイク」(30.6%)とならんで「PC」(30.2%)が常に上位に入ってくる。e-Japan構想に基づく電子政府の早期実現やインターネットを使った電子商取引の普及など、社会生活へのPC浸透が進んでPC活用のメリットが今以上に顕著になった時に、TVや冷蔵庫のような9割を越す普及率も夢ではなくなるのだろう。

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[西坂真人, ITmedia]

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