News | 2003年6月20日 11:53 PM 更新 |
ホロンは6月20日、米国DivX Networks公認のDivX Pro対応ビデオエンコーダソフト「DivX Pro Video Encoder Pack 日本語版」の新製品発表会を都内で行った。DivX Pro Video Encoder Pack 日本語版は、同社がDivX Networksと業務提携を結び、国内販売総代理権を獲得してリリースするもので、7月4日から発売する。Windows版のみで価格は9800円。
DivX Pro Video Encoder Pack 日本語版は、注目の映像圧縮技術「DivX Pro」に対応したエンコーダソフト「DivX Pro 5.0.5 日本語版」に、DivX Pro専用のフロントエンドエンコーダ「DivX Encoding Application」、再生ソフト「DivX Player2.1」、200ページを超える詳細な製品ガイドブックをセットにしたもの。
DivX Proは、MPEG-2やAVIなど容量が大きい映像データを、データサイズを小さくできる高効率の圧縮方式「DivX Pro Video」ファイルに変換することが可能。画質を劣化させずに最大で元データの1/10のサイズまで圧縮することができる。
「DVD Videoならば最大9Mbpsが必要となるが、DivXならば最大900Kbpsでほぼ同じ画質の映像が作成できる。約2時間のDVD Videoクオリティの映像がCD-Rに記録することができるのだ。記録型DVDメディアなら、約12時間の記録が可能」(同社)
また、AVI形式でキャプチャした無圧縮の高品質動画データを、HDTV品質でエンコードが行える。「DVD Videoを超える高画質作品が、記録型DVDメディアの容量で作成できる」(同社)
「DVD-Videoをバックアップできる『DaVideo』を発売したときに、VHSテープなどに録画したアナログ映像をキャプチャ・圧縮してデジタルで保存するといったニーズは、まだ1〜2年先だろうと考えていた。しかしフタを開けてみると、DaVideoの出荷が半年で10万本を超えるヒットとなり、ユーザーからは、大量にあるVHSテープをDivX技術でCD-Rに記録したいという声が数多く寄せられた。今回の新製品は、DivX Networkが日本市場向けに本気になって開発に取り組み、完全に日本語対応になっている」(同社の脇坂龍治社長)
DivXは映像の“MP3”
DivX Networksチーフマーケティングオフィサーのケビン・ヒル氏は「世界で最も人気の高いビデオ圧縮技術であるDivXは、映像の“MP3”。全世界で8500万人以上のユーザーがDivXのコーデックをダウンロードするなど、音楽の圧縮規格でスタンダードとなったMP3と同様に数多くのユーザーに支持されている。人気の理由は、高い圧縮率とハイクオリティな画質。モバイル向け(32Kbps)からHDTVに対応する高解像度(4Mbpsで720p、7Mbpsで1080p)まで、スケーラブルな圧縮が可能な点も評価が高い」と、人気のDivX技術を紹介する。
さらにヒル氏は、TI、Philips、Cirus Logicといった有力チップメーカーが、DivX規格を採用したコンシューマー製品向けチップを開発していると紹介。「2003年末までには、数百万のDivX対応デバイスが登場する」(ヒル氏)
発表会の会場では、昨日バーテックスリンクが発表したネットワーク対応マルチメディアプレーヤー「MediaWiz」がDivX対応製品として展示。MediaWizはSigma Designs社のDivXハードウェアデコードチップを搭載し、PCのHDD内にあるDivXデータをハードウェア再生できる(MediaWizの詳細は6月19日の記事を参照)。
「MP3規格の普及によって、最近のCDプレーヤーはMP3対応製品が非常に増えてきた。DivXもMP3同様に数多くのDVDプレーヤーで採用されていくだろう。DivX対応がデファクトスタンダードになる日も遠くはない」(ヒル氏)
また会場では、DivXに対応した家庭向けホームサーバを設計できる家電メーカー向けのリファレンスデザインキット(マクニカ製)も紹介されていた。
発表会には来賓として、アスキー前副会長の西和彦氏も登場した。
「今から15年前にNTT、ソニー、松下電器、日本ビクター、アスキーらがMPEGの技術開発に取り組んだ時、TV電話で使っている映像圧縮技術を使ってCD-ROMメディアに74分の映像を入れられないかということが発想の原点となった。DivXは、DVDの画質をCD-Rに収録できるだけでなく、DVDメディアにはHDTVの最高映像を記録できる性能を持ち、DVDに2〜3時間の映像が記録できる。これは、Blu-rayなど次世代大容量光ディスク方式の沈没を意味する」(西氏)
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[西坂真人, ITmedia]
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