News | 2003年7月17日 04:25 PM 更新 |
PC業界が健全な増加傾向へと転じる中、Dell ComputerはPCの出荷台数において依然としてリードを続けていることを、IDCによる市場調査レポートは示している。
2003年第2四半期のPC総出荷台数は3320万台で、前年同期比で7.6%増加したとIDCは報告している。増加率はIDCが予想した4.1%増を上回り、歴史的な低価格により喚起されたコンシューマーの需要は、SARSによる影響を上回ったもようだとIDCは推測している。
Dellは同四半期に590万台を出荷。前年同期の出荷台数を28.9%上回った。DellのPC市場シェアは17.8%に拡大した。Hewlett-Packardも堅調で前年比13.3%増の540万台を出荷した。しかし、最大のライバルであるDellには2期連続でトップの座を奪われた。HPが最後に首位を取ったのは2002年の第4四半期だ。
IBMは出荷台数220万台、前年同期比11.9%の増加でトップの2社を追う。Siemens Computersと東芝もトップ5に入り込んでいる。
IDCは2003年の出荷予測を6月に下方修正したが、16日の結果を踏まえると業界の成長の見通しは回復しているようだ。
IDCのWorldwide Quarterly PC Trackerディレクターであるローレン・ロバード氏は16日、第2四半期の増加は短期的な価格戦略を反映しただけかもしれないと警告する。しかし、企業の支出は増えると見られるため、市場は拡大すると同氏は予測している。
今四半期(7〜9月)の企業支出は増加しているようだとロバード氏は電話インタビューで答えた。「全体的な成長率が示しているのは、(企業のPC投資に関して)回復が見られているということだが、その結果を見届ける必要がある」と同氏は述べた。IDCでは2002年に回復を予測したが、予想には達しなかったため、さらに広範囲な回復を宣言するには、より多くのデータが必要だと同氏は説明した。
米国のPC市場は前年同期比で8.1%の伸びで、IDCによれば予想を上回ったという。ヨーロッパ、中東、アフリカも予想を若干上回ったが、その背景にはコンシューマーと中小企業が低価格なデスクトップPCと新しいノートPCに飛びついたことがあるだろうとIDCは推測する。
アジア太平洋地域はSARSウイルスの影響で厳しい四半期だったが、ビジネスは予想ほど落ち込まず、回復のペースは予想以上だったとIDCでは述べている。
IDCは来週、Gatewayが四半期業績を発表後に米国の出荷状況をレポートする予定だ。
IDCの調査による、全世界トップ5ベンダーの第2四半期の出荷台数は以下のとおり。
ベンダー | 2003年第2四半期(単位:千台) | シェア(%) | 2002年第2四半期(単位:千台) | シェア(%) | 伸び率(%) |
Dell | 5,931 | 17.8 | 4,602 | 14.9 | 28.9 |
HP | 5,376 | 16.2 | 4,743 | 15.4 | 13.3 |
IBM | 2,184 | 6.6 | 1,952 | 6.3 | 11.9 |
Fujitsu Siemens | 1,277 | 3.8 | 1,192 | 3.9 | 7.1 |
東芝 | 1,032 | 3.1 | 931 | 3.0 | 10.8 |
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[Tom Krazit, IDG News Service]