News | 2003年7月31日 01:43 AM 更新 |
トミーが今年4月に発表した電子バイオリン「evio」。先日7月28日にはevio発売記念イベントも行われた。本日(7月31日)から全国の百貨店や玩具店などで発売されるが、発売直前に実機を触ることができたので、バイオリン演奏初体験レポートを含めた製品レビューをお届けしよう。
evioは、電子バイオリンといってもヤマハの「サイレントバイオリン」のような本格的な電子楽器ではない。「バイオリンの演奏気分を手軽に体感できる音楽ツール」と考えた方が正しいだろう。弦を押さえたりコードを覚えたりといった難しい操作は必要なく、弓を前後に動かすだけで、誰でも簡単に曲を演奏できるのが特徴だ。
演奏までのセッティングもいたって簡単。本体に単三乾電池4本を入れて、付属のAVケーブルをTVのビデオ入力端子に挿すだけで、すぐに演奏が可能となる。乾電池はアルカリだけでなくマンガンも使用可能なところは玩具らしいところだ。
アルカリで約8時間、マンガンで約4時間の連続演奏が可能。推奨されていないものの、ニッケル水素充電池も試したら利用できたが、10曲(20分程度)ほど演奏したら音が出なくなった。evioは電池が消耗して電圧が下がるとTVへの画面表示ができなくなるので、もともと1.2ボルトと電圧の低いニッケル水素充電池は、連続演奏時間も乾電池に比べて短くなってしまうようだ。コストパフォーマンスを考えたら、別売りの専用ACアダプタ(1800円)は必須アイテムだろう。
本体側面には、ボリュームスイッチ/ヘッドホン端子/AVケーブル端子/ACアダプタ端子のほか、「EX」と記された謎の端子が用意されている。マニュアルには「拡張ジャック」とだけ記載されており、何に使用するかは明記されていない。
この件についてトミーに問い合わせたところ、「近い将来に予定している新サービスのための拡張端子だが、詳細は話せない」との返事。どうやら通信に関するものらしいが、年内(クリスマス商戦まで)には新サービスの発表が行われるというので期待したい。
たかがオモチャとあなどるなかれ! 奥が深いevioの演奏
さて筆者は、幼少の頃にピアノ(黄色いバイエルでやめた)、小学生の時はブラスバンド部でトランペット(姉のお下がりがあったから。2年間でやめた)をたしなみ、社会人になってから何を血迷ったのかクラシックギターを衝動買い(コードを覚えたところで近所からの苦情で断念)するなど、楽器には縁が深い。電子楽器では、カシオ計算機が1988年に発売したデジタルホーン(DH-500)を友人から譲り受けて、ジャズの世界に挑戦して(玉砕し)たこともある。
数々の楽器を使いこなして?きた筆者にとって、弓を動かしていれば音が出るevioなんてオモチャ同然(実際そうだが)と、たかをくくっていた。だが実際に演奏してみて、その(わずかな)自信はもろくも崩れ去った。
まず戸惑うのが、バイオリン特有の演奏姿勢。左肩に本体を乗せてアゴで挟み込み、右手に持った弓を本体に対して直角になるように置いて動かす。はた目で見ると一見優雅なそのスタイルは、実際にやってみるとかなり難易度が高い。
本来は弦がある部分と弓とが交差する場所に赤外線センサーが装備されており、その部分が溝になってガイドの役目をするため、弓があっちこっち動いてしまうということはない。バイオリン経験者に聞くと、本物のバイオリンでは、弓を一定の場所に直角に保って動かすことを習得するのにかなり時間を要するという。evioは、正しいバイオリンの演奏姿勢を気軽に素早く習得できるよう工夫されているのだ。
evioは、本体メモリーに6曲分(さんぽ/TSUNAMI/少年時代/FirstLove/結婚行進曲/四季 春 第1楽章)の演奏データが内蔵されている。それぞれの曲の難易度は星の数で表されており、もっとも簡単なのは星1つの「さんぽ(となりのトトロテーマ曲)」で、一番難しいのが5つ星のビバルディ「四季」だ。
メニューは、好きな曲を好きなスタイルで演奏できる「プレイ」、好みの曲を自由に並べて連続演奏できる「プログラム」、内蔵の曲データやevioメディアからランダムに曲が選ばれる「ランダムチョイス」、演奏方法を習うことができる「レッスン」の4項目がある。自信タップリの筆者は、いきなり「プレイ」から「四季」を選曲した。
[西坂真人, ITmedia]
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