News | 2003年7月31日 01:51 AM 更新 |
ゲームスタイルは、BM(BeatMania)やDDR(Dance Dance Revolution)に代表されるいわゆる“音ゲー”そのもの。音符のマークがカーソル内に入ったときにタイミングよく弓を動かすことで、スムーズに曲が演奏される。弓の動かす方向を変えると次の音に進むという仕組みだ。そのため、間違って弓を何度も動かしてしまうと、音がどんどん先にいってしまう。
この“弓さばき”が非常に難しいのだ。
筆者が選んだ「四季」でのバイオリン演奏には、かなり頻繁に小刻みな音の変化が求められる。当然、TV画面には音符マークが数珠つなぎに押し寄せてくるわけだ。弓の動かし方をちょっとでも間違えると、音が先に進んでいったり、演奏から置いていかれたりする。「プレイ」のコンクールモードでは、自分の演奏がどれだけ伴奏にあっているかを示す「シンクロ率」が表示されるのだが、一番最初の演奏の時はとうとう最後まで10%を上回ることはなかった。
コンクールモードでは、演奏後に1曲を通しての評価が6段階で表示される。evioをなめきっていた筆者は、5つ星の「四季」はもちろんのこと、1つ星の「さんぽ」でさえ、何度やっても最低ランクの「E評価」しか表示されなかった。
「これはいけない。evioは奥が深い」と悟った筆者は、レッスンモードで演奏方法の修行を積み、デモモードでevioが奏でるお手本をじっくりと鑑賞。再度コンクールにチャレンジして、やっとC評価までこぎつけたという始末だ。evio攻略には、とにかく楽曲のバイオリン演奏部分を耳で覚えて、音符など見ずに演奏できるようになることが必要だ。
安価に始める“英才教育ツール”としては、ちょっと重すぎる?
先日のevio発売イベントでプロバイオリニストの高嶋ちさ子さんなども指摘しているように、電池込みで約950グラムのボディは演奏し始めるとその重さを実感する。高嶋さんいわく「本物より2倍重い」というプラスチック製の弓も、60センチ以上ある長さも手伝って数曲弾いていると手首がかなり疲れてくる。
大人でもこんな状況なので、メインターゲットである小学生女児にとっては、少々“ハードな遊び”になるかもしれない。ましてや「2歳からバイオリンを習わせています」という“ネタふり”には、ちょっと重すぎて無理だろう。
だが、それを補うに十分すぎる面白さとコストパフォーマンスがevioの魅力。ウィークポイントの重さも、高嶋さんが「手首の鍛錬になっていいかも。本物を持った時、こんなに軽いものなんだと(本物の)バイオリンが好きになってくれそう」というように、本格的なバイオリン習得のステップになるかもしれない。
我が家でも、さっそく大人が夢中になってしまったevio。小さい頃、バイオリンに憧れた人もそうでない人も、気軽に音楽を楽しむツールとして、一度手にとってみてはいかがだろうか。
[西坂真人, ITmedia]
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