News:アンカーデスク 2003年8月20日 08:29 PM 更新

っぽいかもしれない
逆立ち、ボール投げ、平泳ぎでアピール!?〜ROBO-ONE4予選(1/3)

8月8−10日、川崎市産業振興会館で開催された「ROBO-ONE」第4回大会も2日目を迎えた。いよいよ本大会の開始だ。今回は、基本動作に加えて“新しい動き”が数多く見られた予選の様子をお届けしよう。

 台風10号による波風が吹き荒れる8月9日、神奈川県・川崎市産業振興会館で開催された「ROBO-ONE」第4回大会も2日目を迎えた。いよいよ本大会の開始だ。

 今日はデモンストレーションによる予選のみ。前日の「ROBO-ONE Junior with Family」(関連記事を参照)が予想以上の盛り上がりを見せたので、今日はかすんじゃうんじゃないか、とかいう心配をちょっとだけしていたのだけど、それは杞憂だった。すみません。

 今回は、エントリーしたチームが全部で114にも及んだ。第1回大会が38、第2回が72、第3回が98(公式サイトによる)だったから、着実に参加数が増えている。ただし、棄権したり出場資格を満たさなかったりするものもあるので、実際に本選に参加したロボットは全部で51。

 この参加資格は次の通り。

  • 二足歩行で20秒以内に5歩以上歩けること。このとき片足は地面から離れていること
  • 屈伸ができること
  • 横歩きができること

通過に参加できなかったもの

 予選に先立って、参加資格を満たさなかったもののデモ演技が行われた。ハードウェアは作ったけどプログラムが間に合わなかったとか、5歩歩くのに21秒以上かかっちゃったとかいうものたちだ。せっかく来たんだから、みんなに見てもらおうっていう趣旨で、審査などは行わない。

 例えば、ブラッククジャック亜留間次郎)。このロボットは歩くこともできないのだが、一つだけ大技を持っていた。


ムービーはこちら(0.4Mバイト)

 亜留間次郎氏は実際に雄クジャクを飼っていて、「男は無駄だとわかっていても飾らなければいけない」ことを教えられたのだそうだ。

予選

 予選は、2分間のデモンストレーションを5人の審査員がそれぞれ採点した合計点で競い、上位16チームが明日の決勝トーナメントに進出する。

 採点の基準は、歩行20点、屈伸20点、ボックスダンス30点(*1)、攻撃力10点、新しい動き10点、技術力10点、デザイン10点で計100点。5人で500点満点。前回までは、ロボットのデモが終わるごとに点数が発表されていたが、今回からあとでまとめて発表されるようになった(*2)。

 では、目立ったロボットを中心に見ていこう。紹介しきれなかったロボット、ごめんなさい。

 韓国からの招待ロボットだ。ROBO-ONEアジア大会の初代チャンピオンの改良型。名前も台風10号が接近する日にふさわしいけど、その威力もすごい。スプリングを巻き上げておいて、一気に相手に打ち込む銛の破壊力は抜群だ。


ムービーはこちら(1.7Mバイト)

 ムービーの中で解説者が「足を切った」という話をしているのだけど、ROBO-ONEには「足裏の最大長さは20センチメートル以下とする」という規定がある。Typhoonの足裏は長方形で、作者は長辺を20センチ以下にしていた。でも、対角線で測ると20センチを超えてしまっていた……というわけ。いきなり切ってバランスは大丈夫なのかと思うのだが、この演技を見るかぎりは問題なさそうだ。

 結果、398点で7位通過。デモとしては比較的地味だったためか、それほど点は伸びなかった。とはいえ、余裕の決勝トーナメント進出だ。

 昨年の川崎(第2回大会)の覇者。5月で新潟で行われたロボカップジャパンオープン ヒューマノイドリーグでも大活躍だったおなじみのロボットだ。でもよく見るとちょっと違う。今回登場のMetallic Fighterは4号機、完全に作り直されている(*3)。特徴は手に「指」があること。これで何をするかというと、逆立ちだ。ROBO-ONE史上初の、頭の付いていない2点倒立である。


ムービーはこちら(1.2Mバイト)

 しかし、これ以外の動きは全く不調。転びまくるし、得意のはずの起き上がりも不発。指は逆立ちだけのものではなさそうなのだけど、それもわからない。

 実は、作者森永氏は、ロボットの動きのプログラム(モーションパターン)を、この日の朝にふっとばしてしまっていたのだ。こういうときに常にそうであるように、なぜかバックアップを取りそこねている。あきらめかけたものの、気を取り直して再作成。最後は会場控え室で作っていたというのがこの日のモーションだったのだ(*4)。

 結果、396点9位。不調だったにしては意外な高得点。2点倒立のインパクトがそこまで大きかったのだろう。翌日までに作り込んでこられるだろうか。


*1 ROBO-ONEにおいては、「ボックスダンスとは四角形を描くように移動するダンス」とのみ規定されている。具体的なステップについては決められていない。人間のダンスでは、サンバ(ポップスも)はこんなだし、ワルツはこんならしいんだけど、これをきちんとやっているロボットは本大会にもいなかった。特にサンバのは脚をクロスさせる瞬間があるから、むずかしそうだ。
*2 休み時間ごとに中間発表はあった。
*3 ROBO-ONE第2回大会のものは2号機。第3回大会と、Robocup Japan Openのものが3号機。
*4 このあたり、森永氏のサイトの日記の8月9日の記述がいい。

[こばやしゆたか, ITmedia]

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