News 2003年8月25日 08:18 PM 更新

今度のマウスは一つのホイールで前後左右にスクロール

専属のエルゴノミストを抱えるほどに、Microsoftが入力機器の開発に力をかけているのは、広く知られているところ。そんな、「人にやさしい」マウスベンダーがここ最近注目してきたのが「マウスのホイール」。その開発成果が報道陣に明らかにされた。

 Microsoftが8月25日に明らかにしたのは、マウスのホイール部分のパーツ。従来1軸方向にのみ回転していたが、新しいホイールではユニットがジンバルに載せられており、左右にも傾くようになっている。

 これが今回公開された横方向のスクロールにも対応する「チルトホイール」。横方向のスクロールに対応するために、マウスに縦方向ホイールに加え横方向ホイールを搭載した製品はこれまでもあったが、チルトホイールは一つのホイールで2方向のスクロールに対応できるのが特徴だ。


従来タイプのホイールユニット(左)と今回公開された新型「チルトホイール」(右)。ユニットのフットプリントは従来のホイールと比べると格段に小さくなっている。ちなみにユニットには5本のコードが接続するようだ



ホイールユニットがジンバルに乗る構造になっている。ジンバルに乗せた軸を中心にして左右に傾けることで左右のスクロールを可能にしている

 また、左右のスクロール以外にも、パーツサイズの小型化などさまざまな改良が施されている。なかでもユーザーにとって最も影響ありそうな変更点が、ホイールの「感触」だ。

 これまでのホイールは、軽い力で回転するもののカクカクとした刻みがある「刻み回転」方式が採用されていたが、新しいホイールではカクカクした感触がなくなり、スムーズに回転する方式が採用されている。

 Microsoftはホイールの役割を「ズーム変化用」と考えていたので、初期のホイール搭載マウスでは強い刻み回転を採用していた。しかし、最近のユーザーはスクロール操作のために刻みの強い回転よりもスムーズな回転をより好む傾向がある。

 この嗜好に対応するために、Microsoftのホイールマウスもだんだんと刻み感を弱くしてきていたが、今回公開された新ホイールでは完全になくしてしまったわけだ。

 刻み感がなくなってスムーズに回転するようになったホイールであるが、一方でホイールを回すときに感じる「抵抗感」は意外と重い。これは、刻みをなくしてもある程度の抵抗感をホイールに与えるため。「画面を指でなぞるような操作感」とはMicrosoftの弁だ。

 内部にオイルダンパーが組み込まれており、オイルの粘性でホイールの抵抗感を与えている。最初使ってみるとかなり重く感じるかもしれないが、Microsoftからは「20回程度回してもらえればオイルが馴染んで軽く動くようになります」との回答。

 ためしに、記者がグリグリグリグリ……、20回ホイールを回してみたところ、確かにスムーズに動くようになってきたのがはっきり感じられた。馴染むまでは、ホイールを回すために意識して指先に力を入れなければならなかったが、いったん馴染むと指の動きにそのまま反応してホイールが回転してくれる。

 今回公開されたのは、チルトホイールのホイール機構部分だけ。この状態でホイールを回転させるとジンバルに載ったホイール部分がすぐに左右に傾いてしまう。

 Microsoftによると、マウスに搭載される段階では、横方向の傾きをクリック感を伴なう操作で行う予定になっている。そのため、これまでのマウスのように縦方向のスクロールで左右のブレを意識することはないらしい。横方向のスクロールを行いたい場合は、意識してホイールを傾けるようになる。

 左右スクロールに対応しただけでなく、ホイールの感触も大幅に変更された「チルトホイール」の搭載製品について、現時点では詳細は明らかにされていない。ただし、マイクロソフトでは今年の秋にはこのホイールを搭載した新製品を発表する予定で準備をすすめている。


チルトホイールはホイール部分をクリックできるらしいが、公開されたユニットでは対応していない。ただし、前後方向に動く機構が用意されているので、このあたりに何かしらの仕掛けがあるのかもしれない

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[長浜和也, ITmedia]

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