News | 2003年9月3日 04:04 PM 更新 |
ここ数年の自作PCトレンドである「静音化」にとって、最大の大敵は「ファン」から発生する騒音。もちろんビデオカードだって例外ではない。
最近の高性能ビデオチップは小さいファンをブンブン回さなければならないため、けっこう耳につく音が発生してしまう。この典型的な例が、今年の春に「一瞬」登場したGeForce FX 5800 Ultraの冷却機構「FX Flow」であるのは、多くの読者も賛同してくれると思う。
そういうわけで、PCの静音性を重視する自作ユーザーは、冷却機構からクーラーを取り除きヒートシンクだけでチップを冷やす「ファンレス」ビデオカードに注目することになる。ただし、ヒートシンクだけで冷却するという制約があるため、ある程度パフォーマンスは我慢しなければならなくなる。
このような事情から、これまではNVIDIA製のチップではGeForce FX5200搭載カード、ATI製チップではRADEON 9200がファンレス製品の主流となっていた。
ところがここにきて、ヒートレーンを採用して冷却効果を大幅にアップさせたMSIの「寂、」シリーズが登場し、GeForce 4 Ti4800クラスの(1世代前ながらも)ハイエンドチップがファンレスに対応したり、ATIラインアップのミドルレンジであるRADEON 9600搭載カードのファンレスバージョンが登場している(もっとも一部のベンダーやショップからはRADEON 9800 PROのファンレス改造バージョンが発売されていたりもするが)。
アキバのパーツショップでも、先月中旬からクリエイティブメディアやGIGABYTEといった「ビデオカード老舗ベンダー」からRADEON 9600のファンレスカードが販売されている。
意外にも、ZDNetではRADEON 9600が初登場となるようなので(RADEON 9600 PROのパフォーマンスについてはこちらの記事を参照)、ここではGIGABYTEの「GV-R96128D」を使って、パフォーマンス比較を中心に、実際にRADEON 9600のファンレスカードを組み込む場合の留意点などを考えてみよう。
今回ベンチマークを行うPC側の環境は次のようになっている。基本的には前回RADEON 9600 PROを測定したときの環境とほぼ同じにそろえてある。
ベンチマークシステム環境 | |
CPU | Pentium 4/2.53GHz |
マザーボード | GNB Max-L |
メモリ | PC2700 256MB×2ch |
HDD | DiamondMax Plus9(120GB) |
OS | Windows XP Professional +SP1 |
今回比較のために「競合」となるGeForce FX 5600搭載カードを用意した。ビデオカード容量はともに同じ128Mバイト。ドライバはそれぞれ最新のバージョンであるcatalyst 3.6(RADEON 9600)にDetonator 45.23を使用している。
ベンチマークテストは、定番の3DMark03(バージョン3.3.0.)と3DMark2001 SecondEdition(Build 330)に加え、ゲームベンチとしてComanche 4 DemoのベンチマークモードとCodeCreatures ベンチマーク、そして何かと注目されるFINALFANTASY XI for Windows 公式ベンチマークを行った。
[長浜和也, ITmedia]
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