News 2003年9月5日 10:51 PM 更新

“Bluetooth”でデジタル画像をもっと便利に活用――新プロファイル「BIP」

画像データをBluetoothでやりとりするための新プロファイル「BIP(Basic Imaging Profile)」。モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)が開催した「Bluetooth技術セミナー」で、BIPの技術説明や最新動向などが語られた。

 デジタルイメージング機器の普及とともに、Bluetoothを使って画像データをワイヤレスでやりとりするための新プロファイル「BIP(Basic Imaging Profile)」が注目されている。

 モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)が9月5日に開催した「Bluetooth技術セミナー」で、東芝研究開発センターの川村卓也氏が、BIPの技術説明や最新動向、MCPCで展開するBIP SWG(サブワーキンググループ)での活動について語った。

 Bluetoothロゴ認証を取得した“由緒正しいBluetooth製品”同士ならば、本来、メーカーが違っても接続できるはずなのだが、実際にはどんな機器同士の組み合わせでも利用できるというわけではない。Bluetooth規格では、異なるメーカー間でも接続互換性を確保するために、接続機器の用途ごとに機能など通信仕様を定めた「プロファイル(Profile)」が用意されている。

 プロファイルはBluetooth規格で定められたもの以外にメーカーが独自に用意することもできるが、このような独自プロファイルでは他社デバイスとの相互接続性が失われてしまうという問題があった。そのため数年前から、自動車関連の「Automotive Profile」やAV機器向けの「Audio/Video Profile」など、新プロファイルの策定が活発になっている。

 川村氏はBIPが登場した背景について「デジタルカメラやカメラ付き携帯電話など、静止画像を扱う機器の普及に伴って、静止画像をBluetoothでやり取りしたいというニーズが増えてきた。従来からあるFTP(File Transfer Profile)やOPP(Object Push Profile)といったファイル交換用プロファイルでも、画像をファイルとして送受信できたが、受信側機器がどんな画像形式に対応し、どのぐらいのファイルサイズまで対応できるかなどが分からず、画像を表示できないといった問題も発生。静止画像を扱えるイメージングプロファイルを策定しようということになった」と語る。

 BIPには、利用シーンに応じて「Features」と呼ばれる以下の6つ機能が用意されている。

  • 「Image Push」――静止画像を送信
  • 「Image Pull」――静止画像を閲覧し取得
  • 「Remote Display」――プロジェクターなど表示機能を持つ機器を制御
  • 「Remote Camera」――デジカメなどキャプチャー機能を持つ機器を制御
  • 「Automatic Active」――静止画像データの自動保存
  • 「Advanced Image Printing」――高機能印刷(DPOF)

 このように細かく機能が分かれている点について川村氏は「Bluetooth製品ではロゴ認証が必要だが、BIPでは6つに分けられた機能単位で認証を取得できる。機器メーカーは必要な機能だけをロゴ取得するだけで済むので、認証作業もスムーズになるメリットがある」と説明する。

 例えば、ソニーのBluetoothデジカメ「DSC-FX77」は、BIPの「Image Push」と「Remote Camera」を採用している。


ワイヤレスで画像を送信する「Image Push」

 「画像データの送受信(Push、Pull)という基本機能、画像データ送受信前にデバイス間で画像フォーマットをネゴシエーションする機能、デジカメやプロジェクターなどイメージング機器を制御する機能の3つが、BIPの特徴的な機能」(川村氏)

 ただし、BIPを採用した製品は、民生機器では前出のDSC-FX77やエプソンのインクジェットプリンター「PM-860PT」用ぐらいと、対応機器はまだまだ少ない。そして使っている機能(Features)はImage Pushなどが中心だ。

 「例えば、静止画像データの自動保存が可能なAutomatic Activeを使えば、デジカメやカメラ付き携帯電話をPCの横に置くだけで、簡単操作で撮影画像を自動的にPCに保存するといったことも可能。また、Advanced Image Printingを使えば、DPOF情報をもとにインデックスプリントや枚数を指定しての印刷も簡単に行える。メーカーには頑張ってもらい、BIPを活用した便利なBluetooth製品を作ってもらいたい」(川村氏)


静止画像データの自動保存が可能なAutomatic Active

 BIP策定に向けた活動は1999年にスタートし、2000年に最初のバージョンとなるVer. 0.1が作成。以後、バージョンアップを着実に繰り返し、今月9月25日にBluetooth規格の正式なプロファイルとなるVer 1.0の審査が行われる段階にまできている。

 「BIPの商品開発や互換性検証を進める中で、BIP仕様書の解釈や推奨設定に関するメーカー間の相違が発生。特に画像フォーマットのネゴシエーション仕様などで、仕様書以外にガイドラインを作る必要が出てきた。こうした問題を解決し、メーカーのスムーズな商品開発と、接続性の向上を図るため、ガイドライン作成を目的としたワーキンググループをMCPC内に設置した。BIPインプリメンテーションガイドライン(Ver.1.0)は近々無償で公開する予定」(川村氏)

関連リンク
▼ モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)

[西坂真人, ITmedia]

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