News:アンカーデスク | 2003年9月9日 01:31 PM 更新 |
±0(プラスマイナスゼロ)は、タカラ、ダイヤモンド社、そしてプロダクトデザイナーの深澤直人氏の3者によって提唱された新しいブランドだ。家庭雑貨からAV機器まで、幅広いジャンルで、統一したブランドイメージを打ち出してきたのだ。9月5日〜7日、東京の代官山でこの実物展示会があったので、見に行ってきた。
±0というのは、「生活者の気持ちに『誤差なし』でぴったり合う」というのと、「いままでの既定のデザインをいちど『ご破算』にしよう」というのとの、二つの意味を持たせた言葉なのだそうだ(*1)。従来の家電などのデザインでは満足できない人のためのブランドと言えるかもしれない。
深澤直人氏って言うと、IDEOよりも先に、最近の無印良品のデザインをした人って覚えている人が多いかもしれない。確かにちょっと似ている。でも、こっちの方がユーモアっていうかシャレのエッセンスが入っている度合が強い感じがする。また、商品の価格も、従来商品より少し高いくらいのところを狙ってきている。
会場で、一番人気があったっていうのがこれ。ブラウン管型テレビ。実は8インチ液晶テレビだ。外見をブラウン管型(ここはCRTって言っちゃうとつまらない)にして、おや? と思わせるとともに、ちょっと郷愁をくすぐるっていうわけ。
また、別にあるレシーバー(展示されてなかった)を経由して無線で映像を写すこともできる。アンテナ線がないところでもコンセントさえあればOK。コンセントさえいらなくなればもっとすてきなんだけど、バッテリーにするのは、また、いろいろ大変なのだろう。
22インチ液晶テレビ。実売予想価格は30万円。世の中のテレビは高級感を演出するために外装を大きくしすぎている。それよりももっとシンプルな「画面だけのテレビ」をっていうのが、これ。スタンド部分はスピーカーになっていて、上面にバスレフの穴がある。リモコンがかわいい。
でも、普段、それこそ「アームの先に画面だけ」みたいなPCの液晶ディスプレイを見慣れちゃっていると、あんまりインパクトがないかも。
DVD/MDプレーヤー(もちろんCDも再生可能)。実売予想価格は10万円。
本体前面にあるスイッチはパワーとイジェクトだけ。インジケータもかなり小さく抑えられている。角張ったデザインだけど、縁は2.5R。この2.5Rというのは、この商品に限ったものではなく、±0のコンセプトの一つだ。木材でできた製品が、いつも使われているうちに、だんだん角が自然にまるまってくる。それが2.5Rだというのだ。鮮やかな青のリモコンと合わせて、手になじんだ積み木のような暖かみが醸し出されるというわけ。
[こばやしゆたか, ITmedia]
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