News 2003年9月11日 07:37 PM 更新

ボタン1つで“2D”から“立体視”へ――シャープ、3D液晶ディスプレイ搭載ノートPC

シャープが、世界初の3D液晶ディスプレイ搭載ノートPC「Mebius PC-RD3D」を発表。裸眼で立体視が行える独自開発の液晶ディスプレイは、ボタン1つで2Dと3Dの切り替えが可能な“優れモノ”だ。

 シャープは9月11日、同社独自の3D液晶ディスプレイを搭載したノートPC「Mebius PC-RD3D」を10月27日から発売すると発表した。価格はオープンだが、市場想定価格は35万円前後になる見込み。「3D表示が可能な液晶ディスプレイを搭載したノートPCは世界初」(同社)


世界初の3D液晶ディスプレイ搭載ノートPC「Mebius PC-RD3D」

 同社は昨年2月に、専用メガネなど特別な装備をしなくても裸眼で3D表示の立体視が可能な液晶ディスプレイを開発したと発表していた(別記事を参照)。今回の新製品はこの3D液晶ディスプレイをノートPCに採用したもので、今年2月に発表したハイスペックノートPC「PC-RD1」をベースPCに使っている。


裸眼での立体視を可能にした独自開発の液晶ディスプレイ

 人間は右目と左目とで離れた場所にあり、対象物を見る角度が左右の目で違ってくる。同社の3D液晶ディスプレイは、この人間の目の「視差」を利用して3D表示化する高精度な「パララックス(視差)バリア」方式を採用している。


視差を利用した立体視の基本原理

 だたし視差を利用した立体視化自体は、ごく一般的な手法。同社3Dディスプレイの優れた点は、同じディスプレイで3Dと通常の2Dをボタン一つで切り替えられるところだ。今回のノートPCでは、キーボード上部の電源スイッチの横に3Dボタンを設置している。


キーボード上部に3D/2Dの切り替えスイッチ

 同じディスプレイで3D/2D表示を切り替えるため、3D液晶ディスプレイでは通常のTFT液晶ディスプレイと独自開発の「スイッチ液晶」を組み合わせている。

 「視差による3D化は、右目用と左目用の画像をどれだけ分割できるかによって、立体視のクオリティも高まる。スイッチ液晶は、通常の液晶パネルの背面に、ちょうど右目と左目をさえぎるようなシャッター構造を液晶で作っている。つまり3D液晶ディスプレイは、液晶パネルが2枚重なっているのだ。この背面の液晶シャッターがすべて閉じると2D表示の通常の液晶ディスプレイと同じになり、スリットの開き具合で右目と左目に到達する画像を振り分けることで、3D表示を行っている」(同社)


3D液晶ディスプレイの原理

 この方法によって、2D表示モードでは通常の液晶ディスプレイと同じ解像度や視野角を確保しながら、3D表示モードでは裸眼での高画質な立体視が可能になった。ちなみにこの方法だと、2Dモードで1024×768ピクセルある解像度は、3Dモードでは解像度を片目ずつに割り振るため、512×768ピクセル(片目)×2画面となる。

 ハイエンド機レベルのマシンスペックが必要な3Dコンテンツ処理を快適に行うため、グラフィックスにはNVIDIAのGeForce 4 440 Goを採用し、CPUはPentium 4/2.8GHzを搭載した。

 また、3D液晶ディスプレイを活用するソフトウェアとして、米Dynamic Digital Depth社の3D動画コンテンツ再生ソフト「TriDef Movie Player」や3D画像表示ソフト「TriDef Photo View」、シャープ自社開発の3D画像作成・表示ソフト「Smart Stereo Photo Editor」、分子化合物モデリングソフトの体験版「Personal CAChe for Windows」、など3D関連のソフトウェアを標準で同梱している。

 発表会では参考出展として、マーキュリーサンデーが開発したリアルタイム2D-3D映像変換システムのデモンストレーションも実施。これは、3D表示機能付き携帯電話「SH251iS」で搭載されたものと同じ2D-3D映像変換エンジンを使ったもので、デモンストレーションではソフトウェアエンコーディングで2D映像から3Dへのリアルタイム変換を行っていた。このソフトも、将来的には3D液晶ディスプレイPCに標準同梱される予定。


デモンストレーションではソフトウェア的にリアルタイム変換を行っていたが、変換エンジンの専用チップ化で、液晶TVに内蔵することも可能という。近い将来、通常の2D番組を3D液晶TVで立体視できるようになりそうだ

 PC-RD3Dは、当面は博物館/GIS/医療分野/教育/ゲーム・アミューズメントなど、3Dアプリケーションの要求が強い市場向けに展開。専門分野向けということから、初期バージョンでは英語キーボードに英語版OS(Windows XP Professional SP1)という仕様になっている。だが、年内にも日本語OS/キーボード対応の一般ユーザー向け3D液晶ディスプレイ搭載機もリリースする予定。

関連記事
▼ シャープ、初の3D液晶搭載「Mebius」発表
▼ シャープ、裸眼立体視が可能なLCDを実用化
▼ 3D液晶ノートPCやPCディスプレイにも
▼ 3D立体表示普及へ「3Dコンソーシアム」設立

関連リンク
▼ シャープ

[西坂真人, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



Special

- PR -

Special

- PR -