News | 2003年9月18日 06:52 PM 更新 |
Alvisoには消費電力を増やさずに速度改善を図った第3世代内蔵グラフィックスコアが統合されるほか、外部接続のグラフィックチップを別途追加可能。つまり同じチップセットで外付け、内蔵、両方のシステムをサポートできる。また、PCI Expressをサポートし、PCI Expressベースの新しいノートPC用拡張カードExpress Cardが利用可能。シリアルATA、次世代オーディオインタフェースのAzaliaにも対応し、メモリもデュアルチャネルのDDR2へとスイッチする。
Express Cardは従来のPCカードとの互換性はないが、IDFに併設されている展示会にはコンパクトフラッシュ用アダプタなど既存デバイスを生かすためのソリューション製品も展示されている。PCカードよりも実装必要な容積や面積が削減できるため、ノートPCの小型化にも寄与するだろう。
そのほか、PCの消費電力削減を目指す業界団体EBL(Extend Battery Life)ワーキンググループで検討されている2004年向け機能を実装し、コンポーネントレベルおよびシステムレベルでの消費電力削減=バッテリー持続時間の延長を実現。無線LANチップセットのCalexico IIは、802.11a/b/gすべてに対応するほか、セキュリティ強化の一環として802.11i(AES暗号化プロトコル)、次世代CCX(CCXは企業での採用例が非常に多いシスコシステムズの無線LAN拡張機能と互換性のある仕様。Cisco Compatible Extensions)もサポートする。
Sonomaに関してはこれ以上の情報は公開されていないが、デュアルチャネルのDDR2をサポートすることで、メモリチャネルの帯域は毎秒8Gバイトにまで拡張され、初期のDothanが採用する400MHz FSBよりも広帯域になる。内蔵グラフィックスのためとも考えられるが、Intel担当者は「今は何も言えないが、非常に良いポイントだ」と話す。どうやら、SonomaではFSB帯域の拡張もあるようだ。
モバイル対応アプリケーションの充実に向けて
今年2月のIDFで紹介した2004年のコンセプトモバイルPC、New Portについてもチャンドラシーカ氏は簡単に触れた。New Portには閉じたままで情報を参照可能なセカンダリディスプレイ、GPRS対応のワイヤレスWANアクセス機能が統合されている。ハードウェアとしては、それだけだが、New Portで重要なのはソフトウェア技術のようだ。
無線LANとGPRSが統合されているため、それぞれの特徴を生かして最適な手法で通信できるソフトウェアを組み合わせ、ユーザーの使い勝手を改善させることができるからだ。無線LANはビットあたりの単価が低いが使える場所が限られている。一方、GPRSなどのワイヤレスWANはどこでも通信できるがビット単価は高い。ISPとの契約条件を把握しながら、速度あるいは料金といった視点で自動的に経路を切り替える技術が必要となる。
例えばMobile IPを用いれば、セカンダリディスプレイからGPRSで通信中のNew Portをホットスポットに持ち込むと、その時点で無線LANへと切り替わり、IP通信もそのまま継続するといったことが可能だ。
またユーザーがモバイルPCを使っている場所に合わせて、地域ポータルを表示するといったロケーションセンシティブなアプリケーションの開発も必要だとチャンドラシーカ氏は指摘する。
興味深かったのはバイオノートTRを用いた省電力ユーティリティのデモだ。内蔵カメラで登録ユーザーがPCの前に座っている時には普通に動作するが、ユーザーがいなくなると自動的に省電力なモードへと移行。元に戻ると通常モードへと復帰するというもの。これにより、3ワット程度の省電力化を行えるそうだ。
IntelはこのようなモバイルPCに適したソフトウェアや通信インフラなども含め、提案やツールの提供を行っていく。2004年2月のIDFでは、さらに先、2005年のモバイルPCプラットフォームのコンセプトが発表される見込みだ。
[本田雅一, ITmedia]
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