News 2003年9月29日 11:15 AM 更新

東京ゲームショウ2003
ATIブースは最終日に「隠し玉」が続々登場(2/2)


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 また、別な場所に設けられたATIのシアターブースでは、「Half-Life 2」のデモが行われていた。アジア圏では初公開ということで、海外からの来場者も「30分待ち」の行列に多数並ぶほどの盛況。

 機材のトラブルで初日二日はDVD-Videoによるムービーデモだったが、こちらも最終日に機材の調整がつき、(開発中でDirect X 9.0のファンクションは使っていたなかったものの)ベータバージョンのゲームプログラムをRADEON 9800 PROでリアルタイムレンダリングした高速高画質のゲーム画像が紹介された。

 Half-Life 2の東京ゲームショウ2003プロモーションで来日したvalvesoftマーケティング担当のDOUG LOMBARDI氏は「バンプマッピングやハイダイナミックレンジテクスチャなどのDirect X 9.0特有のエフェクトによって、表現力が格段に良くなった」とDirect X 9.0の効果を説明してくれた。これが典型的に分かる例としてあげたのが「環境マッピングによる水面描写や光の照り返し表現だ」(LOMBARDI氏)

 また、Direct X 8.1ベースのときと比べて特殊エフェクトを実現するAPIを容易に使えるようになるなど、開発の現場でもDirect X 9.0のおかげで作業が順調に進むようになっているらしい。



Half-Life 2のゲームデモの画面より。より細かいテクスチャ表現が可能になったことで、顔の表情や質感はリアリズムに富んだ描画や動きが可能になった




Half-Life 2のシアターデモでは、LOMBARDI氏の解説で、ガラスや水、炎などの自然現象を表現するデモやゲームのシーンなどが紹介された

 ただし、Direct Xの下位互換もサポートしているので、Direct X 9.0非対応のビデオカードでもHalf-Life 2はプレイできるようになっている。

 Half-Lifeファンにとって重要な「スキン」もサポートされ、ユーザーが自作することも可能になっているが、こちらも「ユーザーがどのような表現まで実現するかによって、自由にDirect Xのバージョンを選択できるようになるだろう」(LOMBARDI氏)

 ちなみに、LOMBARDI氏に「コンシューマーゲーム機にはない、PCゲームのアドバンテージは?」と質問してみたところ、「もともと、コンシューマー機とPCは技術的な競争を繰り返してきた。PS2やゲームキューブが登場してから時間もたってしまった現時点では、描画に関するテクノロジーや、ブロードバンドネットワークへの対応など、PCはゲームをよりエキサイトにするプラットフォームに進化している」と答えてくれた。


Half-Life 2の開発を行っている「valvesoft」のマーケティング担当DOUG LOMBARDI氏。Half-Life 2シアター幕間の短い、かつ忙しい時間にもかかわらず、気軽にインタビューに応じてくれた


イベントでお馴染みの「Centrinoトレーラー」を動員したインテルは「オンラインゲームを楽しむならハイパースレッディング(HT)対応Pentium 4」とアピール。「リネージュII」などのネットワーク対戦型PCゲームを集めた体験プレイブースを設けていた


開発中ベータ版が出展されていたボーステックの「銀河英雄伝説VII」。公開が2004年予定の新バージョンはHTに対応する。ボーステックは「HT対応でネットワーク系の処理とゲーム系の処理を並行して行えるメリットがある」(ディレクター 宮森順也氏)と説明してくれた


PC用ゲームデバイス系の展示は残念ながらほとんど見ることはできなかった。唯一専門ブースを構えていたサンワサプライでは、2台の液晶ディスプレイやリアスピーカーを設置できるコックピット型PCデスクを展示。フライトシミュレータファンなら一度は体験してみたい「液晶ディスプレイの3面設置」の可能性については「やってやれないことはないかも」という返事


こちらもコックピット型のPCデスクの製作会社プロトタイプ。自社Webサイトで通信販売も行っているが、価格は20万円程度とけっこう高めの設定になっている

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関連リンク
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▼ マイクロソフト

[長浜和也, ITmedia]

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