News 2003年10月17日 10:13 AM 更新

マウスで地球を「一回り半」

マウスやキーボードなどでお馴染みのLogitechがマウス出荷台数5億台を達成。来日した同社会長のダニエル・ボレル氏は、20年以上にわたる同社の歴史を、これまで開発してきた「ヴィンテージ」マウスと一緒に紹介してくれた。

 マウス出荷5億台記念も兼ねて16日に東京で行われた新製品「Click!」シリーズの発表会には、米国本社の主要メンバーが勢ぞろい。

 「LogitechのビジネスはPCとユーザーの“ラストインチ”をカバーすることだ」と最初に登場したマルセル ストーク氏(Worldwide Sales & Marketing Senior Vice President )が述べたように、一貫して入力機器デバイス、とくにマウスの開発と販売に携わってきたLogitechは、現在、キーボードやゲームデバイス、WebカメラといったPC周辺機器全般から、PDAや携帯電話のアクセサリにまでその範囲を広げている。

 ストーク氏は「この5年間で売上高は(ワールドワイドで)2倍に、利益は6倍になった」と、最近における同社の急成長ぶりをアピールするとともに、日本で「ロジクール」という独自のブランドを立ち上げている理由について「Logitechが世界で展開しているリージョンは、米地域、欧州、アジア太平洋、そして日本の4地域」と独立したリージョンを設定するほど日本の市場を重視しているLogitechの考えを示した。


▼▼Logitech会長のダニエル・ボレル氏

 続いて登場した同社会長のダニエル・ボレル氏は、「これまで出荷してきたマウスの重さはタイタニックの1.5倍、コードを伸ばして並べたら月まで行って帰ってこれる」と「お約束」のコメントを述べたうえで、22年にわたって同社がおこなってきたマウス開発の歴史を紹介してくれた。

 1981年に「Apples」という小さな町で創業した(ボレル氏の母親は自分の息子が“MacintoshのApple”で働いているとしばらく思っていたそうな)Logitechだが、ボレル氏の説明によると、当初は「マウス」ではなく、ワープロソフトウェアの開発を主な業務としていたらしい。そのときリコーと協同で行っていたワープロの開発中に、ユーザーインタフェースの重要性に気がついたLogitechはマウス開発に重点をシフトしていく。


製品発表の会場には、Logitechがこれまで開発してきたマウスが一堂に展示されていた。中央に見える半球に3つのボタンが飛び出しているマウスが1982年に初めてロジテックが出荷した製品だ



こちらはLogitechの製品ではないが、1963年にダグ・エンゲルバートが世界ではじめて開発したマウスを再現したもの。ボディの裏には直行する方向に車輪が取り付けられており、ボール式で使われているローラーがそのまま飛び出しているような仕掛けになっている

 1984年には世界初のワイヤレスマウス(当時は赤外線を利用していた)を出荷してからは、「コードレス」を重要なキーワードにして製品開発を進めていったLogitechは、もともとPCメーカーに自分たちの製品を納入するOEMベンダーであった。

 しかし「マイクロソフトにも自分たちの製品をセールスしたが断られて」(ボレル氏)自らリテール市場に参入。1991年に出荷した子供向けマウスでは「5カ月で5年分の在庫を作った」(ボレル氏)ということがありながらも、キーボードやゲームデバイスのコードレス化、Webカメラへの参入、といったエピソードを、当時の製品を交えながら紹介してくれた。

 続いて、新製品「Click!」シリーズの紹介のために登場したアッシュ・アローラ氏(Retail Prointing Device Group Product Markeing Director)は、Click!シリーズの開発過程を詳しく紹介してくれた。


左から「Cordless Click!」「Cordless Click! Plus」「Click!」

 14カ月という時間をかけて開発されたClick!シリーズは、「PCを技術的関心より“楽しんで使うもの”として見ている」(アローラ氏)Young&Funユーザー層をターゲットにしている。

 このユーザー層がマウスの選択要素として重視するのが快適な操作性と素材感。そのためClick!シリーズでは「PCの“ジュエリー”となるようなマウス」(アローラ氏)をコンセプトに、ボディのシェイプや表面の素材感を重視して開発。英国の著名な彫刻家ヘンリー・ムーア氏などを起用したり、塗料ベンダーを共同開発した塗料で表面を塗装している。





アローラ氏が紹介したClick!シリーズの開発過程。ヘンリー・ムーア氏などのデザインスケッチをベースにモックを数多く試作、ユーザーテストを経て最終的なフォルムと表面デザインが決定するのは以前紹介したMicrosoftのマウス開発とよく似ている

 このシリーズは「Cordless Click! Plus」「Cordless Click!」「Click!」の3製品が用意されている。最上位機種のCordless Click! Plusは左右クリックとスクロールホイールに加えて、アプリ切り替えボタンとWebページ移動用の「フォアード&バックボタン」を加えた6ボタンマウス。中央に配置されたホイールと切り替えボタンの部分を盛り上げた「クロームアイランド」がデザインのアクセントとなっている。

 「Cordless Click!」「Click!」はシンメトリデザインの両手用マウスで、最上位機種であった「フォアード&バックボタン」が省略された4ボタンとなっている。ローエンドの「Click!」以外は応答性が従来の2.5倍に向上したFast RFを採用したコードレスマウスで、これまで大きくて不評だった受信部分が、スティック型USBと同じ形状に小型化された。

 価格はオープンプライスとなっているが、実売予想価格はCordless Click! Plusが約6000円、Cordless Click!が約5000円、Click!が3000円。

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[長浜和也, ITmedia]

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