News 2003年10月21日 10:07 PM 更新

2年半ぶりに好転――2003年度上半期PC出荷実績

電子情報技術産業協会(JEITA)が、2003年度上半期(2003年4月〜2003年9月)のPC出荷実績を発表。総出荷台数は、台数・金額ベースともに前年度同期比アップとなり、半期ベースでは2000年下半期以来2年半ぶりにプラスに転じた。

 電子情報技術産業協会(JEITA)は10月21日、2003年度上半期(2003年4月〜2003年9月)のPC出荷実績を発表した。国内・海外合わせた総出荷台数は、台数・金額ベースともに前年度同期比アップとなり、半期ベースでは2000年下半期以来2年半ぶりにプラスに転じた。特に台数ベースでは2ケタ増を見せるなど、このところの景気回復の兆しがPC出荷にも反映された結果となっている。

 今回発表された2003年度上半期のPC出荷実績によると、輸出分を含むPC本体総出荷台数は549万4000台で対前年度同期比114%のアップ。金額ベースでも8442億円で同103%とプラス成長となった。内訳は、国内出荷台数が対前年度比113%の515万1000台、輸出が同128%の34万3000台で、国内・輸出ともに好調に推移している。


国内の半期別PC出荷台数の推移

 プラスに転じた要因についてJEITAでは、「ビジネス系が好調に推移。IT投資促進税制の効果に、遅れていたPCのリプレース需要がうまくミックスされて、高い伸び率を示したようだ。一方、コンシューマも2ケタ成長を見せている。TVやDVDとの融合をはかったAV機能搭載モデルが市場を牽引している」と分析している。

 2003年度上半期の国内出荷台数を四半期ごとの推移で見ると、第1四半期(4〜6月)は252万4000台(対前年同期比104%)と緩やかな伸びだったが、第2四半期(7〜9月)は262万7000台(対前年同期比124%)と急伸している。「ビジネス系は半期を通じて好調だったが、第1四半期はコンシューマ系の伸びがイマイチだった。第2四半期に大きく伸びたのは(10月1日から施行された)PCリサイクルシステムの関係でPC販売が1カ月前倒しになったため」(JEITA)

 もっとも、「台数ベースで2ケタ増ながら金額ベースでは微増」という結果は、PCの単価ダウンを象徴している。この点についてJEITAは「昨年度同期(2002年度上半期)は、PCの構成部材である液晶パネルやDRAMの値段が高騰したために、台数ベースでは大きく落ち込みながらも金額ベースでは1ケタ台に収まったという“特異点”。確かにビジネス系を中心に単価ダウン傾向は見られるが、コンシューマ系ではAV機能搭載モデルなどプラス材料もある」と説明する。

 「SARSやイラク戦争など、年度初めの不安材料は解消されたが、経済情勢や個人消費動向は依然として厳しい状況が続いている。これといったカンフル材も見当たらない状況だが、AV機能付きなど高付加価値商品が引き続き市場を牽引するだろう。JEITAとしては下半期も上半期と同等ぐらい伸びて欲しいと願っている。2003年度通年で、2001年度ぐらいの数字(1068万台)には、もっていきたい」(JEITA)

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▼ 電子情報技術産業協会(JEITA)

[西坂真人, ITmedia]

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