News 2003年10月24日 11:19 PM 更新

GeForce FX 5950 Ultra/5700 Ultraの発表会で「業績は好調」と主張するNVIDIA(1/2)

日本で行われた製品発表会にはパーツベンダーの幹部が勢ぞろい。「NVIDIAがどのような発言をするか」に興味津々の彼らに安心してもらうため、NVIDIAは「好調な業績」を製品紹介に先立ってアピールした。

 今回発表されたのは、GeForce FX 5950 UltraとGeForce FX 5700 Ultraの2製品。この2製品の登場で、これまでハイエンドにGeForce FX 5900、ミドルレンジにGeForce FX 5600が用意されていたラインアップは、GeForce FX 5950 UltraとGeForce FX 5700 Ultraにそれぞれ置き換わる。なお、バリューゾーンはこれまでどおり、GeForce FX 5200が残ることになる。

 GeForce FX 5950 Ultraは、GeForce FX 5900のマイナーバージョンアップ。内部の構成はそのままでコアクロック475MHz、メモリクロック475MHz(DDRのデータ転送レートで950MHz相当)に上げている。そのほかのスペックは、パイプラインの数、Cine FXのバージョン、UltraShadowやIntelliSampleの実装などFX 5900と同じだ。

 発表会で登場したNVIDIAのリファレンスボードは、これまでのハイエンドカードと同様、大型のクーラーユニットが搭載され、2スロット分の場所を必要としている。ただし、クーラーユニットのファン形状やエアダストの経路はFX Flowから変更されている。



GeForce FX 5950 Ultra搭載リファレンスカード。透明なアクリルフードで覆われたクーラーユニットはFX Flowを彷彿させるが、フードの中のファンやエアダストの構造はまったく異なるものになっている


GAINWAIDは水冷クーラーユニット「CoolFX」を搭載したファンレス製品を展示。このユニットは先日からパーツショップに並び始めたGeForce FX 5900搭載カードと同じもの。価格も同じように10万円前後になる可能性が高いそうだ


大型クーラーユニットを搭載したリファレンスと異なり、同じ会場に展示されていたパーツベンダーの製品は、自分たちでクーラーユニットを調達して1スロットですむようにしたものが多かった。画像は「MSI FX5950 Ultra-VTD256」でカードの表裏にファンを設置している


発表会で唯一動作デモを行っていたMSIは、会場に持ち込んだMEGA 651にGeForce FX 5950搭載ビデオカードを組み込んでいた。これは同社の「MSI FX5950 Ultra-VTD256」の背面ファンを取り外して、さらにヒートシンクをヤスリで削った「展示品特別バージョン」。実際の製品ではMEGA 651に組み込めないので注意

 GeForce FX 5700 Ultraは、ラインアップ的にはGeForce FX 5600 Ultraの後継だが、アーキテクチャはまったく新しく開発されたもの。コアクロック475MHzにメモリクロック450MHz(DDRでデータ転送レートは900MHzに相当)と、FX 5600から格段にアップされ、上位製品のFX 5950 Ultraに迫るスペックになっている。


GeForce FX 5700 Ultraリファレンスカード

 実装されている機能も、ハイエンド製品と一線を画していたFX 5600と異なり、CineFX 2.0、UltraShadow、Intellisample HTCとこちらも上位機種と同じ機能をサポートするようになった。

 このように上位機種とほとんど同じスペックをもったミドルレンジチップとなっているが、メモリのバス幅だけはFX 5950 Ultraが256ビットであるのに対し、FX 5700 Ultraは、FX 5600同様128ビット幅となっている。  FX 5700 Ultraはこれまでと同じ0.13マイクロプロセスを採用しているが、ファブをTMSCから今年3月に契約を交わしたIBMに変更している(FX 5950 Ultraは従来のままTMSCが製造)。

 これについてNVIDIAのデスクトップGPUシニアマネージャーのスティーブン・シムズ氏は「NVIDIAはIBMのチップもTMSCのチップも同じように評価している。FX 5700 UltraにIBMが採用されたのは、出荷時期のタイミングと市場の状況から判断した結果だ」と説明している。


NVIDIAが製品発表会で示したRADEON 9800 XTを1とした場合のFX 5950 Ultraの相対性能。使用しているシステムはCPUがPentium 4/3.20GHz、Intel 875P搭載マザー、メモリ容量は512Mバイト。ドライバはFX 5950 UltraがForceWare 52.16、RADEON 9800 XTがCatalyst 3.8となっている


同じくRADEON 9600 XTを1としたFX 5700 Ultraの相対性能。使用しているシステムとドライバはFX 5950 Ultraと同じもの。FX 5950 Ultraのアドバンテージはそれほど顕著でなかったのに対し、FX 5700 Ultraでは明らかにライバルを上回る結果となった



発表会では、Unreal Tournament 2003のあるシーンをFX 5950 Ultra(上)とRADEON 9800 XT(下)でそれぞれレンダリングした場合のテクスチャ描画も比較した

 会場には多くのパーツベンダーがGeForce FX 5950 Ultra、GeForce FX 5700 Ultra搭載製品を展示していた。NVIDIAのリリースでは26日から出荷開始となっているが、ほとんどのベンダーは「GeForce FX 5950搭載カードが店頭に並ぶのは来週の週末あたりになんとか」という状況。GeForce FX 5700は「さらに1〜2週間遅れる見込み」だ。

[長浜和也, ITmedia]

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