News:アンカーデスク 2003年12月17日 06:29 PM 更新

HALOの秘密「番外編」
本格SF風「Halo」の魅力とは?(1/2)

3回に分けて紹介してきたHaloと、その3Dグラフィックエンジンの秘密。でもそもそも「Haloってなんじゃろ」という読者もいるだろう。「Haloの秘密」の最終回はそのストーリーの秘密に迫ってみた。

 日本でのウケはいまひとつだったが、全米にてXboxという新プラットフォームでありながら、わずか4カ月間で100万本セールスを突破した「Halo」は、(Xbox用ソフトとしては)今や伝説化している。

 その「Halo」とはどんなゲームなのか。この連載の最後は、このゲームの魅力と見どころを、迫力あるゲームシーンとともに紹介していこう。

 なお、最初にお断りしておくが、本稿ではネタバレ的な話題にまで切り込んでいくので、これからのプレイを楽しみにしている人はプレイ後にお読みいただきたい。

「Half Life」の三つ巴を超えた「四つ巴戦」が展開するHalo

 Haloにも、インターネット経由で対人戦が楽しめるマルチプレイヤーモードが当然のごとくサポートされている。しかし、Haloの大ヒットに結びついたのは、非常に遊び甲斐のあるシングルプレイヤーモードがあったからだ。Haloのシングルプレイヤーが持つドラマティックなストーリー展開、過激な戦闘シーンは、まさに3Dシューティング「アドベンチャー」と呼ぶに相応しい。

 Haloの魅力のもっとも基本となる部分は、そのハードコアなSF敵設定だろう。まずは、プレーヤーに与えられるストーリーラインを要約して紹介したい。

2552年、恒星間航法を獲得した人類は、その活動圏内を太陽系圏外、すなわち外宇宙に広げつつあった。 今から32年前、最も遠く離れた植民惑星「ハーベスト」からの交信が途絶え、調査のために送られた先遣艦隊は壊滅的なダメージを受けて帰還した。人類史上、初めての地球外知的生命体との遭遇(ファーストコンタクト)は、星間戦争という最悪のシナリオで始まったのだ。

「コヴナント」と命名されたエイリアンは、人類を彼ら自身の神を冒涜する存在として敵視しており、人類と同等以上の科学力を持ち、かつ激しい征服欲も持ち合わせていた。どちらか一方が絶滅しないかぎり戦争の終結はないと見た人類は、コヴナントの宇宙船を捕獲して彼らの母星を攻略する極秘プロジェクト「SPARTAN2」を発動させる。

時を同じくして、コヴナント軍は地球侵攻を開始。SPARTAN2の産物である機械化兵を載せた地球軍艦隊はこのコブナント侵攻軍と遭遇、ついには交戦状態に陥ってしまう。

健闘しながらも苦境に陥った地球艦隊は、コブナント軍をひきつけつつも、太陽系から遠ざけるために決死のランダムワープを敢行。地球軍、コヴナント軍の両残存部隊は星間地図にもない、謎の環状惑星圏に到達する。

人類は、輪の形をした惑星ということで「光輪」の意である惑星「HALO」と命名。人類とコブナントの残存部隊は戦場をこの未知なる惑星に移して、互いを殲滅するための凄惨な戦闘を続けるのであった。

 「お約束」の設定もあるものの、引きつけられるストーリーラインと状況設定だ。

 しかも、プレイヤーが扮するのは、かっこいい熱血美青年兵ではなく、「マスターチーフ」と名付けられたSPARTAN2プロジェクトの産物である機械兵の生き残り、というあたりに、本格SF小説的な硬派ぶりを感じられる。

 ゲーム開始直後は、プレイヤーのいる艦船に侵入したコヴナントを撃退するという、よくある「エイリアン殲滅」ゲームになっている。だから、序盤をちょっとプレイしただけではHaloに仕組まれたプロットの面白さは分からない。


右がプレイヤー扮するサイボーグ兵マスターチーフ


突如、旗艦オータムに侵入してきたコヴナント軍。シングルプレイは序盤から敵味方が入り乱れるガンバトルで展開する


HaloというゲームがハードSFをイメージさせるのは、生身の女性キャラがほとんどいないためかも。画面はHaloに登場する貴重な女性キャラだが、実は生身ではなく人工知能が具象化した姿


コヴナント下級兵。姿は醜いが声と逃げまどう姿は意外とプリティー

 Haloが面白くなってくるのは、環状惑星へ上陸し、この「輪」の正体に物語のベクトル向き始めてからだ。

 ストーリーが進むと、惑星Halo自体が自然のものではなく、人類でもコヴナントのものでもない、まったく未知なる人工的な建造物であることが判明する。しかも、コヴナント軍の独自解析の結果によれば、Haloは超絶的な破壊力を持つ「星系」破壊兵器であるという。

 ストーリーでは、コヴナント軍が先行してこの最終兵器の運用方法の解明に乗り出している。物語の序盤から中盤にかけて、この最終兵器Haloの争奪戦に話が移っていく。

 ところで、そもそもこの最終兵器Haloを作ったのは誰なのだろう? しかも、その兵器だけを作っておいて、実際に使った形跡はない。誰がなんのために? そしてHaloを開発した「文明」はどこに行ったのか? ゲーム中盤のドラマはこの謎に迫っていく。


惑星Haloに上陸した人類。遠景を見て分かるように巨大な輪の内側に陸地や海が存在するのだ


Haloコントロールセンターがあると思われる地点に、次から次へと兵員を積んだ輸送艇を着陸させる人類。これを迎え撃つコヴナント軍。雰囲気はSF映画「スターシップトゥルーパーズ」か戦争映画「プライベートライアン」といった感じになる


補給船が攻撃車両を運んでくれた。こうしたドラマチックな演出もHaloの魅力だ

[トライゼット西川善司, ITmedia]

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