なぜ今、さくらインターネットはパートナー戦略を強化するのか 「ガバメントクラウド認定」を見据えたエコシステム構築の意義

PR/ITmedia
» 2026年01月05日 10時00分 公開
PR

 さくらインターネットがパートナー企業による間接販売の強化に動き出した。同社として初のパートナー向けカンファレンスの開催を皮切りに、2026年度からはパートナー制度を大幅に刷新する。背景にあるのは、経済安全保障への関心の高まりと、目前に迫ったガバメントクラウドの正式認定だ。

 さくらインターネットがパートナー戦略を強化する理由と、パートナー企業にもたらされるインパクトについて、同社の戦略責任者に聞いた。

ガバメントクラウド認定の影響は エンジニア不足を補うパートナー連携の必然性

 2025年11月、さくらインターネットはパートナー向けカンファレンス「SAKURA Partner Conference 2025」を開催。新たな戦略の発表と、パートナー企業と共に顧客のクラウド移行支援を強化する姿勢をアピールした。

ALT

 これまでのパートナー制度では、システム開発と合わせて「さくらのクラウド」を導入する「テクニカルパートナー」、リセラーとして販売を中心に行う「セールスパートナー」に分けてそれぞれに合う支援をしてきた。しかし最近はセールスパートナーが導入も手掛けるようになるなど、両者の役割が重なる場面が増えてきた。そこで2026年度からはこれらを一本化した新たなパートナー制度をスタートさせる。

 同社がパートナー企業への支援を強化する背景には、大きなチャレンジが存在する。それが、デジタル庁が整備する政府共通のクラウド基盤「ガバメントクラウド」への本認定だ。さくらインターネットは本稿執筆時点で国産のクラウド事業者で唯一、ガバメントクラウド事業者としての認定を条件付きで取得している。2026年3月までに必要な技術要件をクリアできれば正式に採択される予定だ。

 現在、ガバメントクラウドの認定事業者はAmazon Web Services、Microsoft、Google、Oracleの4社で、いずれも外資系企業だ。さくらインターネットの高橋隆行氏(高は「はしごだか」)は国産クラウドの意義を次のように話す。

 「ガバメントクラウドの選択肢として、基盤技術を国内で確保することは極めて重要だと考えています。当社は国産クラウドという選択肢を提示し、変化の激しい国際情勢においてもお客さまに安心してご利用いただけるサービスを目指しています」

 ガバメントクラウド認定後は、公共セクターからの受注が増加することが予想される。

 「これまで当社のお客さまは技術力のあるネット系企業が中心でしたが、デジタルが当たり前となった社会では今後、文教や公共、自治体をはじめとした『非IT』のお客さまが増えることが予想されます。こうしたお客さまは国産インフラに対する支持が厚い半面、組織内にエンジニアが不足していることが多く、当社がインフラを提供しただけではシステムとして稼働させることが難しい。そのため構築や運用、開発を担えるパートナー企業とのアライアンスが不可欠です」

ALT さくらインターネットの高橋隆行氏(上級執行役員)

日本企業に「もう一つの選択肢」を提供する価値

 高橋氏は、国産クラウドが選択肢に加わることでパートナー企業のビジネスが拡大する点を強調する。

 「昨今、円安によって外資系企業のサービスの利用コスト増が多くの日本企業を直撃しています。そのサービスだけに依存することはコスト面でもリスクになる可能性があります。価格変動の影響を受けにくい国産サービスを『もう一つの選択肢』として持っておくことが必要です。パートナー企業にとっても、これから国産クラウドという選択肢を扱えることはビジネスチャンスになるはずです」

 同社の眞崎さゆり氏も「もう一つの選択肢」が増えることへの期待について説明する。

 「『さくらのクラウド』は2021年に『ISMAP』(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)に登録されました。これによって政府のセキュリティ基準を満たすクラウドが国内にも存在することを示せたと自負しています。ベンダーロックインを避けた柔軟な選択肢をパートナー企業とともにご提供したいと考えています」

ALT さくらインターネットの眞崎さゆり氏(マーケティング本部管掌 執行役員)

 気になるのが、さくらインターネットが無事に「ガバメントクラウドとしての要件を満たせるのか」という点だ。これに対して高橋氏は「セキュリティ要件や機能開発については、先行投資を行って人材とリソースを集中させています。本年度中に技術要件をクリアできるように、全社一丸となって取り組んでいます」と話す。

パートナー企業と共に育てる国産クラウド

 「さくらのクラウド」は機能追加にも注力しており、今後マネージドサービスやモニタリング機能などPaaS/SaaSの領域にも拡張するロードマップを示している。

 「パートナー企業の方々から寄せられる要望も聞きながら機能を拡張しています」と高橋氏は話す。

 要望が多かったものとして、間接販売モデルを管理するコントロールパネルや請求管理の仕組みなど事務的な機能があった。「パートナービジネスを進める上で必須の機能であり、実装を急いでいる」(高橋氏)という。

さくら×パートナー企業で「1案件で1年分の売り上げ」を生んだ事例も

 成功事例もすでに多数存在する。

 「ある公共団体の入札案件に、当社がフロントに立ち、開発と運用はパートナー企業が担う役割分担で臨みました。当社単独では対応できない案件でしたが、パートナー企業と組むことで落札できました。注目すべきは、パートナー企業にとってこの案件が約1年分の売り上げになったことです。これによって経営に余裕が生まれ、他の新規事業に取り組むなどが可能になったと伺いました」(高橋氏)

 もう1つが、ある老舗企業のオンプレミス環境をクラウドリフトした事例だ。ヒアリングすると、長年運用してきたシステムでありながら担当者が引退して手順書もなく、ブラックボックス化しているということだった。

 「お客さまもお手上げ状態で、当社もこうした課題に対応できるリソースは持っていませんでした。そこで手を挙げたのがリバースエンジニアリングを得意とするパートナー企業です。元々オンプレミスに強みを持つ企業で、元のサーバを分析して仕様書を起こし、見事にさくらのクラウドへの移行に成功しました」(高橋氏)

 このようにさくらインターネットのインフラとパートナー企業の強みを組み合わせると、難易度の高い案件にも取り組むことができる。前出のパートナーカンファレンスなどを通じてパートナー企業同士のつながりも生まれており、セキュリティに強い企業と開発に強い企業が手を組むケースも増えている。

特定のベンダーにロックインされない標準技術を学べる

 パートナー支援の一環として、同社が力を入れているのが教育プログラム「さくらのクラウド検定」だ。

 「外資系クラウドベンダーの教育プログラムは非常に充実しているのでとても勉強になります。しかし、個々のクラウドサービスでしか使わない用語や、一般的には馴染みのない言葉も多く、その技術にロックインされてしまうところもあります。さくらのクラウド検定は、標準的な用語だけを使うように設計しており、汎用的な知識を学ぶことができます」(高橋氏)

 学習用のテキストを全て無料で公開していることも特徴だ。広くサーバ、クラウドの知識を学んでほしいという同社の思いがある。

 2026年春には、「さくらのクラウド検定 for AI」も公開する。クラウドからAIまで、パートナー企業に知識を共有することでエコシステムのスキルの底上げを狙っている。

「さくらのクラウド」の未来を共に創る

 眞崎氏は、パートナー企業の経営陣への働きかけも進めていると話す。

 「現場が当社との連携に前向きでも、経営者の方が乗り気でなかったり、逆に経営者が『これからは国産のクラウドがいいのでは』と思っていても現場は新しい技術の学習に手が回らなかったりする場合もあります。双方に対してさくらのクラウドの良さを分かっていただけるよう説明を続けます」

 そのためにもパートナー企業との接点をさらに拡大することが必要だ。

 「クラウドサービスの入札案件では、大手に代わって中堅や中小の開発企業が落札するケースも出てきています。技術力があれば新たな市場に入り込むチャンスが広がっています。当社はパートナー企業と共に、ビジネスを成長させたいと考えています」と高橋氏は語る。

 眞崎氏も「1つの企業が全てのソリューションを提供することはできません。パートナー企業と共に創るエコシステムをご活用いただき、活躍の場を広げていただきたいです」と語った。

 さくらインターネットは「さくらのクラウド」を継続的に強化し、より多くの企業に選ばれる国産パブリッククラウドへ成長させることを目標としている。

 その実現には、パートナー企業との協働が欠かせない。国産クラウドの進化とともに、パートナー企業とともに新たなビジネスに挑戦し、互いに成長していける関係こそ、同社が目指す姿だ。

ALT

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:さくらインターネット株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2026年2月4日