和歌山の自動車ディーラーを支える“IT屋” 「PC販売で黒字倒産の危機」を脱せたワケ

和歌山県にある自動車ディーラーのIT活用を支援しているリッチネスは、PCの導入支援によってキャッシュフローが悪化し黒字倒産のリスクに直面した。この危機をどう乗り越えたのか。

PR/ITmedia
» 2026年03月05日 10時00分 公開
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 紀伊半島の豊かな自然に恵まれ、かつて「木の国」と称された和歌山県。木材業で成功を収め、和歌山城の再建に尽力した人物が、この地で約60年前に輸入車販売店を立ち上げた。創業者の口癖は「世界で一番のものじゃないと駄目だ」。その精神を継ぎ、現在はドイツの名ブランド「メルセデス・ベンツ」の正規ディーラーとして存在感を放っている。

 その会社――シュテルン和歌山のIT環境を支えるのが、地元のITコンサルティング企業であるリッチネスだ。県内企業のITシステム刷新やハードウェア導入をサポートする同社の課題が、見積もりや連絡といった“ITの本筋”から離れた作業がリソースを圧迫していたことだ。顧客のハードウェア導入を支援する際に、購入代金を立て替える仕組みも負担の一つだった。

 そんなリッチネスが見つけた課題解決の手段が、デル・テクノロジーズの認定メンバープログラム「Dell Expert Network」だ。シュテルン和歌山、リッチネス、デル・テクノロジーズが作る“トライアングル”は、地方におけるITビジネスのモデルケースと言える。三方良しだという取り組みを取材した。

photo メルセデス・ベンツ和歌山のショールーム

「IT革命に乗れば車をもっと売れる」 ディーラー×IT屋の挑戦

photo シュテルン和歌山の石井博氏(代表取締役社長)

 「国内に二十数台しかなかった『メルセデス・ベンツ 600 プルマン』を創業者が購入したことがきっかけで、メルセデス・ベンツの販売代理店になりました。『世界で一番のものを』というDNAはそこから始まりました」――こう話すのは、シュテルン和歌山の3代目社長の石井博氏だ。

 そのDNAはITインフラにも根付いている。当時まだ珍しかったオフィスコンピュータ(オフコン)の導入を初代社長(現社長の父)が決断。「Windows 95」が登場してインターネットの時代が到来すると、すぐにクライアント/サーバ(クラサバ)型のITシステムに刷新した。その後も、シャープの携帯情報端末「ザウルス」を導入するなど時代の先端を走ってきた。これらを支えたのがリッチネスの楠本芳樹氏だ。石井氏は「『IT革命の波に乗れば車をもっと売れる』と2代目と楠本さんが話していたのを覚えています」と振り返る。

 「オフコン導入時に、初代社長が『コンピュータのことは全く分からないので、どうぞよろしくお願いします』と頭を下げて頼まれたんです。『絶対に裏切れない』と思いました」(楠本氏)

 楠本氏は「シュテルン和歌山は、世の中より5年早く動いています」と評価する。「PCによるクラサバ型システムにするのは一部の大企業だけ」という風潮があった頃にクラサバ型を選んだそうだ。楠本氏も「良いものがあるなら『IT屋として』提案するのが当然」という姿勢だったため、両社の歯車がかみ合った。

PC販売で黒字倒産の危機に 価格交渉にも疲弊

 両社は、長年にわたって蜜月関係を築いていた。リッチネスに異変が起き始めたのは、シュテルン和歌山が全従業員にPCを配布した頃だった。2000年前後から顧客のPC導入が本格化し、リッチネスは「ハードウェアの導入支援の難しさ」という壁に直面した。当時の様子を楠本氏は次のように明かす。

photo リッチネスの楠本芳樹氏(代表取締役)

 「PCメーカーや販売代理店に当社が代金を払ってPCを仕入れてからお客さまの導入が完了するまでに1カ月以上かかります。立て替えた代金をお支払いいただくのはその翌月末。台数が多いと代金が数百万円に上ることもあり、キャッシュフローが悪化して黒字倒産しそうでした」

 インターネット通販の普及も楠本氏を苦しめた。顧客にハードウェアの見積もりを渡すと、通販価格やメーカー直販価格と比較されて「もっと安くできないか」という相談が届いた。顧客に「修理保証やメーカーサポートなどを含めた価格だ」と説明し、販売店に「まとめ買いするから安くならないか」と頼むなど、コミュニケーションコストが増加。「そうした交渉に疲れてしまいました」と楠本氏はこぼす。

ハードウェアを売らなくていい認定プログラムでトップに

 悩むリッチネスが出会ったのが、デル・テクノロジーズの認定メンバープログラム「Dell Expert Network」だった。従業員100人以下の企業を顧客に抱えるITコンサルティング企業やマネージドサービスプロバイダー向けのプログラムで、条件を満たせば無料で加盟できる。専任アドバイザーに相談できるなどの特典が多数あり、最大のメリットは「顧客がハードウェアをデル・テクノロジーズから直接購入する」という点だ。

photo Dell Expert Networkの概要(提供:デル・テクノロジーズ)《クリックで拡大》
photo デル・テクノロジーズ 石川一郎氏(ビジネス営業統括部 ストラテジック・パートナーシップ アカウントエグゼクティブ)

 デル・テクノロジーズの石川一郎氏は「これまでのIT業界は商流において『たくさん売ってくれる販売店が評価される』ということが一般的でした。Dell Expert Networkは、認定メンバーがハードウェアを売らない画期的なプログラムです」と説明する。認定メンバーの顧客がハードウェアを導入するタイミングで、デル・テクノロジーズが見積もりや販売を引き継ぐ。エンドユーザーとじかにやりとりすることでハードウェアを直販価格で提供でき、認定メンバーの負担も減らせる。

 「楠本さんは『ハードウェアに自社の利益を乗せて売りたくない』という思いで加盟していただきました。販売価格の差分を利益にするのではありません。良い製品を安い価格で買ってもらい、その導入や運用をサポートするビジネスモデルを実現されたのです」(石川氏)

 楠本氏は「安くて高性能なモデルのPC」を提案するための比較と検討に長い時間を割くことが多く、「選定に失敗すると、次のリプレースまで約5年待たなければなりません」と課題を挙げる。「Dell Expert Network に加盟した後は、デル・テクノロジーズの優秀なスタッフが悩んでくれます。顧客と価格交渉をする必要がなく、黒字倒産の危機も去り、ストレスが解消されました」

 石井氏も決裁において不安感がないと太鼓判を押す。事前に見積もりが提示される上、楠本氏と情報システム部門の間で構成の確認を必ず行う。そのため社内稟議から社長決裁までの時間が短く、石井氏の高い評価につながっている。

 楠本氏はDell Expert Networkを活用し、シュテルン和歌山をはじめとする地元企業を支援している。現在は約20社しかない同プログラムの最上級クラス「エリートメンバー」としてDell Expert Networkを使い倒している。

PCメーカーとのパスが開通 理想的な「トライアングル」に

 Dell Expert Networkを使うメリットの一つとして楠本氏は、アフターサポートの良さを挙げる。導入したPCが不調になったら、顧客がデル・テクノロジーズに連絡して電話や遠隔操作でサポートを受けられる。国内にカスタマーセンターがあり、交換部品やサポート人員が最短で翌日に到着する。顧客がデル・テクノロジーズと直接やりとりするため時間のロスを短縮できる上、リッチネスはトラブルシューティングに時間を割かずに済む。

photo デル・テクノロジーズの村松桃氏(ビジネス統括本部 ストラテジック・パートナーシップ アカウントマネージャー)

 石井氏は「そもそも壊れないですけどね」と補足する。シュテルン和歌山は5年間のサポート保証を契約しているが、PCを多用する部門は満期を待たずにリプレースするなど適切に管理しているためめったに故障しないとデル・テクノロジーズの村松桃氏は説明する。

 「PCの構成や管理方法が納得の内容で、楠本さんとシュテルン和歌山さんが深く対話されているのだと分かります。PCの要求仕様がぶれないため、当社も素早く提案・納品できます。当社がいくら頑張っても、お客さまの事業やシステムを完全に把握することは難しいでしょう。そこを深く理解していることが認定メンバーの最大の強みです」

 楠本氏は「デル・テクノロジーズと直接パスが通じることで、シュテルン和歌山、リッチネス、デル・テクノロジーズというトライアングルが成立します」と話す。この関係を、石井氏は自動車業界に重ねる。

 「販売代理店がハードウェアを売るのではなく、メーカーが直販するという流れは自動車販売の世界でも登場しています。そうなるとお客さまとのつながりを深める時間を重視できるようになります」

 村松氏は「『石井さんのところに頼めばメルセデス・ベンツは間違いない』というお付き合いが理想ですよね。Dell Expert Networkが目指す認定メンバーの姿も同じです」と強調する。

次はAI 「一番良いものを正直に届ける」ために

 先見性の高いIT投資によってビジネスを加速させてきたシュテルン和歌山。石井氏が今注目するのが「AI」だ。導入したデル・テクノロジーズのPCでAIアシスタント「Microsoft Copilot」を試しており、「営業担当として300人に自動車70台を売る戦略を立てて」と聞くと的を射た答えが返ってくるという。「使いようによっては大きな武器になります。今の時代は、ITを使えば無限の可能性が広がります」(石井氏)

 「『一番良いものを正直にお届けする』ということをシュテルン和歌山さんに教わりました。次はAIですね。エンドユーザーから聞いた実務における活用アイデアや課題をデル・テクノロジーズに届けており、新たな支援メニューを検討していただいています。デルさん、頑張ってね」(楠本氏)

 楠本氏の期待に対して、石川氏は「メーカーだけでは得られない声を得て、もっと進化します」と応える。Dell Expert Networkの認定メンバーが強みを持ち合って新たなビジネスを生む取り組みも始まっており、「世界中のDell Expert Networkの中でも日本がナンバーワンだといわれるように、一緒に作り上げましょう」と意気込む。

 Dell Expert Networkは、加盟する企業を募集している。中小規模のエンドユーザーを支援するIT企業は、Dell Expert Networkを活用することでビジネス課題を解決できるだろう。デル・テクノロジーズに相談してみてはいかがだろうか。

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提供:デル・テクノロジーズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2026年3月18日