News:ニュース速報 2001年11月9日 08:29 PM 更新

「データは最初から入ってた」DOA2訴訟の被告企業が声明

 ゲームソフト「デッド オア アライブ2」(DOA2)の著作権を侵害されたとして,同ソフトを改変できるプログラムを販売していた業者に対しテクモが損害賠償を求める訴えを起こした問題で,被告側のウエストサイドは11月9日,テクモに反論する声明を発表した。

 テクモは11月7日,「DOA2に登場する女性キャラクターのコスチューム制御データを改変し,裸体のキャラクターのゲームプレイを可能にする」プログラムをウエストサイドが販売したとして,損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。

 ウエストサイドは訴訟について,「訴状が到達していない」ためテクモ側の請求の詳細は分からないとしながら,「裸体画像データはテクモが制作し,ソフトのCD-ROMに収録していたもの」と指摘。その上で「テクモは裸体のキャラクターを表示することが『極めて低俗かつ悪質』としているが,それならなぜ裸体画像を制作して収録していたのか理解に苦しむ」とした。

 またプログラムについても,「ユーザーのメモリーカードのうち14バイト程度を編集し,DOA2に元から収録されていた全コスチュームを選択できるようにしたもの。CD-ROMに収録されたデータを改変するものではない」と主張している。

 そのため「大量に複製・頒布された著作物を個々のユーザーが個人で楽しむために一定の手を加える『私的改変』については,違法に著作者人格権(同一性保持権)を侵害する行為とはとらえないのが学会の多数説」とし,「著作者人格権を侵害したことにはならないと考える」とテクモに対し真っ向から争う姿勢を見せている。

 同社はこの件について,今年6月ころから「巨額の金員」(同社)の支払いをテクモから求められていたという。同社は「私的改変についてテクモ側の主張を織り込んだとしても,そのような巨額の金員の支払いに応ずべき合理的な理由がないため,毅然たる態度をとった」としている。

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