News:ニュース速報 2002年3月6日 01:01 PM 更新

富士通,スカラー型スパコン開発を正式表明

 富士通は3月6日,ベクター型スーパーコンピュータの開発をやめ,今後はスカラー型の開発に注力すると正式発表した。年内にも最大65T(テラ)FLOPSと世界最高レベルの製品を出荷する計画だ。

 同社は1976年からベクター型スパコンを提供し,販売台数は累計450台と世界2位の実績を持つ。だが専用プロセッサを使用するベクター型に対し,汎用プロセッサを使って比較的安価に高い計算能力を実現するスカラー型が台頭。汎用プロセッサの性能向上でベクター型を価格性能比で上回るようになってきた。

 富士通が採用した大規模並列スカラーアーキテクチャでは,1GHzを超える高性能プロセッサと並列同時演算実行技術(4命令),128プロセッサによるSMPなどが特徴。128個のプロセッサを1ノードとし,光伝送技術により128ノード(1万6384プロセッサ)まで拡大できる。OSはSolarisを採用する。2003年には100TFLOPS,2004年には150TFLOPSへと計算能力を引き上げる計画だ。

 従来のベクター型ユーザーがスムーズにスカラー型に移行できるよう,コンパイラや運用管理などのサービスも提供していく。

 富士通の転換で,ベクター型スパコンに取り組むのはNEC-米Cray陣営のみとなった。

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