高校生のITスキルは上がったか?――立正大が入試にP検
高校で昨年度から必修化した教科「情報」は、高校生のITスキルに影響を与えているだろうか。立正大学はそれを探るため、パソコン検定を入試に利用する。
入学時から学生全員にノートPCを支給、文系学部ながらプログラミングなども授業に導入し、「システム導入について理系のSEとも意思疎通できる人材を育てる」という立正大学経営学部。同学部は今年から、AO入試にパソコン検定準4級を導入する(関連記事参照)。昨年度から高校で教科「情報」が必修化したことがその背景にある。
「情報」は、PCに関する基礎知識や操作法を学ぶ教科。実技重視の「A」、プログラミングに重きを置く「B」、情報と社会の関わりを考える「C」のどれか一つを2単位分履修するが、「どれを選ぶかによって身につく内容がかなり変わる」(立正大学経営学部の三好出講師)。
1年目となる去年、8割以上の高校で採択されたのは「A」。ただ、同じ「情報A」でも、教科書によって、教師によって教える内容はバラバラで、「2時間×1年間の授業で、どの程度習得できるのか見えない。高校の先生も、五里霧中で授業をしているようだ」(三好講師)。
情報Aに準拠したP検準4級を入試に取り入れることで、高校生のITスキルを探り、大学の授業計画を立て直したい考えだ。
「学生間のPC能力格差はかなりある。特に、商業高校卒業生と、普通高校卒業生では、タイピングスピードや情報処理ソフト活用能力に大きな差が出るが、これは半年で埋められるカリキュラムを組んでいる。『情報』が必修化することで、普通高校の学生がどれだけ能力を高めるのか。格差は埋まるのか、変わらないのか、それを見極めたい」(三好講師)。
「情報」を履修した高校生が大学を受験する来年に向け、今年の入試からP検を導入、準備を進める。
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高校で「情報」が必修になったのに合わせ、パソコン検定に「4級ベーシック」が新設された。普段からPCに接している生徒たちは、「情報」の授業やP検をどう見ているのだろうか。
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