「ネット企業の参加は自然な流れ」──楽天、プロ野球参入決まる
楽天のプロ野球新規参入が決まった。三木谷社長は「ネット企業がプロ野球に参入するのは自然な流れ。新しい血が入ること自体がいい影響あるのでは」と抱負を語った。
プロ野球の新規参入球団を決める実行委員会とオーナー会議が11月2日、都内で開かれ、「東北楽天ゴールデンイーグルス」をパ・リーグの新規加盟球団として承認した。
新球団の本拠地は仙台市で、専用球場は県営宮城球場。楽天のほかにライブドアが仙台市を本拠地として新規加盟を申請していたが(関連記事参照)、ライブドアは落選した。
都内で会見した楽天の三木谷浩史社長は、参入が決まりほっとした表情。「ネット企業の参入は自然な流れだろう。Microsoft共同創業者のポール・アレンもNBAチームを持っている。50年ぶりの新規参入となり、新しい血が入ること自体が球界にいい影響あるのでは。プロ野球経営はこれまで大企業ばかりだったが、ベンチャー的なフットワークの軽さを活かしたい」などと抱負を語った。
新球団はネットを積極的に活用する。三木谷社長は「監督のロッカールームのコメントをブロードバンド配信したり、選手の情報を発信していけばファンの関心レベルも上がるだろう」とネットベンチャーならではのファンサービスを展開する考えだ。
監督に就任する元中日の田尾安志氏は「6月からプロ野球界で起きたごたごたで、最初に声を上げてくれたのがライブドアだったし、堀江貴文社長には感謝している。ライブドアの分までがんばりたい」と話した。
新球団は監督に田尾氏、ヘッドコーチに前横浜監督の山下大輔氏が就任。1軍打撃コーチを元巨人−横浜の駒田徳広氏などとするコーチ人事も発表した。
楽天は、球団のオフィシャルサイトをオープン。サイト上で球団職員を募集する予定だ。
一方、ライブドアの堀江社長は仙台市内で会見し、「やりたいことはいっぱいあったができなかった。新球団に私の力が発揮できないのは残念」などと悔しさをにじませたが、「皆さんはこれまでのことをすっきり忘れて、新しい球団を応援していただきたい」と楽天にエールを送った。
監督に就任する予定だったトム・オマリー氏からの「未来のドアを開けたのはライブドアだった」とするコメントも紹介された。
関連記事
- 「ネット中心の新しい野球ビジネスを」――楽天・三木谷社長
ブロードバンド野球中継や携帯電話への速報配信、楽天市場での記念セールなど、ネットと連動した新しいビジネスモデルを築きたいという。 - 「東北楽天ゴールデンイーグルス」に決定
- 楽天に大ちゃんス 山下ヘッドが決定
- 楽天新球団の監督に元中日の田尾氏
- 楽天が日本プロ野球組織に加盟申請
- ライブドア球団、仙台を本拠地に 楽天も正式表明
- ライブドア、大阪に新球団設立計画
- ライブドア堀江社長、「球界全体を相手に戦う覚悟」
2月から近鉄に買収提案していたというライブドア。会見を開いて買収への“本気度”をアピールし、売名行為ではという憶測を否定した。 - Oracleラリー・エリソン氏がスポーツチームを買収?
IT企業のスポーツチーム買収は何も日本ばかりではない。Oracleの大富豪、ラリー・エリソン氏は米国のフットボールかバスケットボールのチームを手に入れようと考えている。(IDG)
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.