DSIを新たな武器に加えたマイクロソフト:Microsoft Management Summit 2004 Japan
マイクロソフトは11月30日に開催したMMSで、ITシステムの「導入・運用管理」をテーマにDSI戦略を推し進める姿勢をより鮮明に打ち出した。
11月30日、東京・台場のホテルでMicrosoft Management Summit 2004 Japan(MMS)が開催された。このイベントは、企業のIT基盤を構築するマイクロソフトのサーバ製品群を中心としたソリューションを紹介するもので、今回が国内初開催となる。
本イベントは4つのトラックで構成され、それぞれクライアントマネジメント、サーバマネジメント、アプリケーションマネジメント、ネットワークマネジメントという側面からのセッションが3つずつ、一日で計12のセッションと基調講演およびスポンサー企業10社の製品展示という内容だ。
その基調講演は、マイクロソフトコーポレーション エンタープライズ ストレージ部門担当およびエンタープライズマネージメント部門担当シニアバイスプレジデントのボブ・マグリア氏によって行われた。
ITの世界ではこの数年間でビジネスと同様にROI(Return On Investment:費用対効果)が厳しく求められるようになってきた。このROIを高めるには、既存のシステムにかかるコストを可能な限り削減し、新規に戦略的なITシステムを構築することが必要になる。だが、「これは非常に難しい命題だ」とマグリア氏。
同社が昨年から提唱しているDynamic Systems Initiative(DSI)戦略。これは、ITシステムやサービスの革新的な設計、導入、運用管理を行うためのテクノロジーや製品の集合体である。
マグリア氏は、この難しい命題に対する包括的な取り組みがDSIであり、これに向けた具体的なアプローチ方法を紹介すると述べた。それが、このDSIを支えるインフラとなる同社のサーバ製品群である。
この日、紹介された主な製品は、サーバ管理・運用を行う「Microsoft Operations Manager 2005(MOM 2005)」、サーバ仮想化ソフト「Microsoft Virtual Server 2005」、クライアント管理の「Systems Management Server 2003(SMS 2003)」など。
また、System Definition Model(SDM)という考え方によるアプリケーション構築を推し進めていくこともマグリア氏は宣言した。アプリケーションの設計者や開発者、そしてIT管理者がそれぞれの立場から「モデル」という単位でアプリケーションを定義し、それらにしたがって展開、運用することで、これらの作業がより容易になるという。これは、DSIの中核となる技術の一つだ。
マグリア氏は「長期的な展望でDSIを推し進めていき、業界を手を組みながら発展させていく」と述べ、今後の同社製品はすべてこのSDMに基づいたアーキテクチャによる開発が行われて行くことを明らかにした。
そのほか「Internet Security & Acceleration Server 2004(ISA 2004)」や「Microsoft Identity Integration Server 2003(MIIS 2003)」といったネットワークや社内インフラセキュリティに関する製品なども、午後に行われたブレークアウトセッションで詳細に解説され、システム管理に悩む数多くのユーザーが参加していた。
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