エンタープライズ:ニュース 2003/04/08 23:03:00 更新


マイクロソフトの自己管理型コンピューティング戦略「DSI」とは?

マイクロソフトは、自己管理型コンピューティングの新戦略「DSI」の説明を行った。DSIでは、同社のソフトウェアアーキテクチャを中心に、サードパーティと共同する垂直展開で、ライバル他社と差別化を図る。

 マイクロソフトは4月8日、プレス向け第4回Windows Server 2003 Reviewers Workshopを開催。3月18日に米ラスベガスで発表した自己管理型コンピューティングの新戦略「Dynamic Systems Initiative」(DSI)の説明を行った。

 DSIは、異なるベンダーのハードウェアなどで構成されたデータセンターを仮想化し、変化に対し自動的かつ柔軟にリソース補正を行えるようにする取り組み。これに基づいたアプリケーションは、ハードウェアの違いを超えて、サービスとして認識することで、リソースなどを自動的に展開するようになる。

 マイクロソフト製品マーケティング本部Windows Server製品本部の吉川顕太郎氏は、「データセンターでは今まさに、業界標準のハードウェアの採用が進みつつある。今後、これらを組み合わせてミッションクリティカルなデータセンターを構築することがメジャーになる」と、DSI戦略の背景を説明する。業界標準ハードの採用が進むと、ソフトウェアプラットフォームにとっての可能性が高まってくると考えられる。

 同社は、次期サーバOS「Windows Server 2003」を始まりとして、今後3〜5年のロードマップで“ダイナミックシステム”を完成させる計画だ。

 今後、(1)自己管理可能なアプリケーション開発ツール、(2)リソースを仮想化し、ダイナミックに割り当てることができるOS、(3)運用管理機能が埋め込まれた自己記述型サーバアプリ、(4).NETおよびWebサービス技術をベースに開発された自動化ソリューション――などを提供していく。

 サン・マイクロシステムズ、IBM、ヒューレット・パッカード(HP)なども、このような自律型コンピューティングに取り組んでいるが、これらライバル企業とマイクロソフトのDSIが異なるのは、「ソフトウェアが中心のアーキテクチャという点だ」(吉川氏)と話す。

 ライバル各社は、サードパーティのソフトデバロッパーから独立した取り組みを行っているのに対し、マイクロソフトは、同社のソフトウェアアーキテクチャを中心にハードウェア/ソフトウェアベンダーと共同する、垂直展開を行うというわけだ。

 5月に開催される「Windows Hardware Engineering Conference」(WinHEC)では、DSIに対応するハードウェア設計など詳細を明らかにする予定だという。

 DSIの次世代管理ツールは、「System Difinition Model」(SDM)と呼ばれる技術に基づいて開発されることになるというが、これについては、10月の「Professional Developer's Conference」(PDC)で詳細を明らかにする。XMLベースの技術となるSDMは、ITインフラ全体のライフサイクルをポリシーに基づいて、アプリケーションの運用管理要件を取り込み、統合するものだ。

 また、吉川氏は「どこよりも早く実装を提供できる」点も差別化要因として挙げる。6月までに、動的なリソース割り当てを実現するコンポーネント「Automated Deployment Services」(ADS)を出荷することが、この理由だ。ADSは、まったくの空のサーバから自動でサーバ構築などのプロビジョニング作業を自動化できるソフト。「Windows Server 2003 Enterprise Edition」に対応する。

 このほか、Windows Server 2003のVolume Shadow-copy Service(VSS)、Virtual Disk Service(VDS)およびクラスタリングサービス「Windows System Resource Manager」(WSRM)、2月に買収したコネクティクスの技術を使用して開発している「Virtual Server」も、DSIを支える機能と位置付けている。

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▼マイクロソフト

[堀 哲也,ITmedia]



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