「全然変じゃない!」──エイベックス流コンプライアンス
企業のコンプライアンス(法令遵守)方針と言えば堅い言葉が並びがちだが、MAX松浦が手掛けると「インチキするな」となる。
「インチキするな」「弱いものイジメはするな」──エイベックス・グループ・ホールディングスが4月11日発表した、グループの新コンプライアンス(法令遵守)ポリシーには分かりやすい言葉が並んでいる。企業のコンプライアンスポリシーは堅い表現になりがちだが、エイベックスのポリシーは「僕たち自身が本当に納得できる」(松浦勝人社長)という内容を身近な表現でまとめた。
ポリシーは「人の金で遊ぶな」「まねても盗むな」など12項目。各項目それぞれに具体的な「べからず集」が付いており、例えば「インチキするな」なら「サンプルCD・DVD・ノベルティや会社の備品を個人で使用したり、売ったりしない」といった具合。最後に「そして、才能に愛と賞賛を。(決して嫉妬ではなく」と結んだ。
ユニークなポリシーになった理由を、松浦社長による「前文」が説明している。「そもそもこういうヤツじゃないと一緒に仕事なんかできないよ、といったものだ。難しく言えば『倫理観』かもしれないが、世の中のルールとか規則に照らして変なものかどうかを真剣に考えた。結論は『全然変じゃない!』」。
コンプライアンスポリシーは、2008年までの中期ビジョンの一環として公表した。CCCDの販売でリスナーの反感を買ったエイベックスだが、昨年就任した松浦社長のもとで構造改革を推進。USENを筆頭株主として迎え、ネット配信を強化する方向も打ち出した。
中期ビジョンによると、音楽配信事業では「今までの『慎重なスタンス』から、市場を自ら創り出す『攻め』の姿勢」へと明確に転換。携帯電話向け新サイトを初夏にオープンし、新譜の着うた先行配信などを展開する。今後、PC向けや映像配信も強化した総合エンターテイメントポータルの育成が目標だ。
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