SNS「Friend Map」が6月に閉鎖
国内SNSに淘汰の波が押し寄せてきた。昨年4月にオープンした「Friend Map」が6月に閉鎖。「mixi」一人勝ちの様相が鮮明になってきた。
アイ・エム・ジェイ(IMJ)とファンコミュニケーションズは、両社が共同運営するソーシャルネットワーキングサイト(SNS)「Friend Map」を6月20日に閉鎖する。IMJは「設立当初の目的だった、SNSシステムの検証やコミュニティのユーザー対応といったノウハウは蓄積できたが、ビジネス化のめどがつかないため」と説明している。
国内SNSは、「meetme」「UUME」などが相次いでサービスを停止した。昨年から次々とオープンしたSNSだが、ここに来て淘汰の波も押し寄せてきている。
Friend Mapは6月20日正午以降、全サービスが利用できなくなり、ユーザーの個人情報や日記、掲示板の書き込みなど全データが削除される。日記のテキストのみダウンロードできるツールを6月20日まで公開している。
Friend Mapは昨年4月にスタートし、現在のユーザー数は約1万8000人。当初計画ではユーザーを20万人に伸ばし、広告とEC、課金サービスで収益を上げる予定だった。だが「広告媒体として十分なユーザー数に達せず、課金やECシステムを構築しても投資に見合った収益が期待できない」(IMJ)ため閉鎖を決めた。IMJは、Friend Mapで培ったSNS構築やコミュニティ運営ノウハウを、企業向けコミュニティサービスの受託開発などに生かす。
米国では、会員数が1000万人を超える「Friendster」を筆頭に、「Orkut」「LinkedIn」など数百万人規模のSNSが乱立している。国内SNSは、4月初めに50万ユーザーを突破した「mixi」一人勝ちの構図が鮮明になってきた。ユーザー数で2位のGREEも昨年後半ごろから成長が鈍化し、現在は約16万ユーザーにとどまる。
一方で、医療関係者専用SNSなど、小さくセグメントを切ったSNSも次々に登場しているが、ビジネスの可能性は未知数だ。
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「mixi」を始めとするソーシャルネット躍進の影で、あるサイトが幕を閉じる。運営者と連絡がつかなくなり、システムが放置され、ログオンできなくなった末の閉鎖に、ユーザーは不信感を募らせている。
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