シャープ、ワンセグ端末を春にも発売
シャープの町田社長は、ワンセグ対応携帯電話端末を春にも商品化することを明らかにした。国内トップシェアを獲得した昨年に続き、MNPやワンセグが控えている今年も拡大の好機とみている。
シャープの町田勝彦社長は1月11日の年頭会見で、携帯電話向け地上デジタル放送(ワンセグ)対応の携帯電話端末を「春にも商品化する」と明らかにした。対応キャリアなどは明らかにしなかったが、強みの液晶技術とAQUOSで培った高画質化技術を応用し、シャープ得意の「オンリーワン」商品で新サービスに対応していく。
町田社長は「携帯メーカーとしては最後発で参入したが、2005年度上期は国内シェア1位になった」とし、4月のワンセグや11月のナンバーポータビリティ(MNP)など、今年は「新たなビジネスチャンス」と端末事業の拡大に期待した。
2005年度の販売台数は1100万台で前年度比10.2%増となる見込み。2006年度はさらに18.2%増の1300万台が目標だ。NTTドコモとボーダフォンに加え、KDDIにも端末供給を決めたことで国内3キャリアへの供給体制を確立、MNPに備える。海外は3Gに集中する方針だ。
ただ、NECやパナソニックモバイルコミュニケーションズなど国内端末大手は海外市場で苦戦を強いられてきた。町田社長は「海外で収益をあげる方法論はある。割り切りを明確にすることで、儲からないという考え方は打ち消せると思う」とした。
端末事業そのものについても「収益がなければ意義がない。当社はうまくやっている」と自信を見せた。また「実際に端末を作っていないと、どんな液晶パネルが必要なのか分からなくなる」と携帯向け液晶事業との相乗効果も重要だとした。
携帯向け液晶事業では、独自の「システム液晶」の拡大に引き続き注力する。このほど、ガラス基板上にドライバなどを一体形成するモノリシック技術を発展させ、アモルファス液晶と外形サイズ、インタフェースが同じコンパチタイプを開発した。部品点数などを削減でき、同サイズのアモルファス液晶と比べ10%のコストダウンが可能という。
需要が旺盛なBRICs地域を中心に、海外市場でも端末のカラー化が進んでいる。「大きなチャンスが到来した」(町田社長)とみて、高画質とコスト競争力を売りにシリコン液晶への置き換えを進めていく。2006年度、中小型分野で410億円の設備投資を行い、生産能力を月産1950万台に引き上げる計画だ。
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