Media Center PC「今年こそ」 国内で普及の兆し
国内では苦戦していたWindows XP Media Center Edition(MCE)だが、ここにきて普及の兆しが見えてきた。NEC製PCや東芝の携帯音楽プレーヤーで採用が拡大し、MSは「今年こそ」と意気込む。
「このままでは終わりません」――マイクロソフトの担当者は、今年こそWindows XP Media Center Edition(MCE)が国内でもブレイクすると語る。今年からNECなど大手が本格採用し、国内出荷数が急増。動画や音楽、ゲームなど対応コンテンツも拡充し、一気に普及させる計画だ。
MCEは、テレビ視聴に対応し、AV機能を強化したOSとして2004年秋に鳴り物入りで登場した。「米国ではインストールベースで1000万台以上に搭載された」(米Micorosoftのジョー・ベルフィオーレeHome担当副社長)といい、米市場では順調だ。
一方で、国内市場では苦戦している。「MCEは、日本のパートナーに学びつつ進んできた」――同社の佐分利ユージン統括本部長がこう語る通り、元々テレビパソコンは国内メーカーの得意分野。国内メーカーは一部の機種でMCEを搭載したものの、積極的には採用してこなかった。
しかし今年から風向きが変わった。国内PC最大手のNECが、夏モデルのデスクトップ15機種のうち12機種にMCEを採用。日立製作所も春モデルの一部機種にMCEを搭載するなどし、搭載機が拡大した。「今年第1四半期から出荷数が大幅に増えている」(佐分利統括本部長)
さらに、東芝の携帯音楽プレーヤー「gigabeat」にもMCEのモバイル版「Windows Mobile software for Portable Media Center」を搭載(関連記事参照)。携帯機器の開拓も始まっている。「NECや東芝が、MCEの価値を分かってくれている。今後も両社と協力していきたい」(ベルフィオーレ氏)
搭載ハード拡大に加え、対応コンテンツのラインアップも強化してユーザーを引きつける。MCEからコンテンツにアクセスできる「メディアオンライン」に、4月12日からクラビットのゲームなど3コンテンツを追加した。「Yahoo!動画」やオンキヨーの音楽ダウンロードサービスなど4コンテンツの追加も決まっており、利用可能なコンテンツは計13コンテンツに増える。
MCE搭載機は現在、世界で月間100万台が出荷されているという。国内メーカーの本格参入やコンテンツ強化で日本市場でも成功させたい考えで、佐分利本部長は「さらなる飛躍を期待している」と話している。
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NECは4月11日、2006年夏モデルとしてデスクトップPC「VALUESTAR」5シリーズ15モデル、ノートPC「LaVie」4シリーズ10モデルを発表した。地デジチューナーを内蔵した新型液晶が投入されたほか、一体型PCの新シリーズやスリム筐体を採用したデスクトップPCなども登場している。
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