ソニーのエレキ、黒字転換 「BRAVIA」好調
ソニーの第1四半期は、液晶テレビ「BRAVIA」やデジタルカメラの好調で、270億円の営業利益を確保。エレクトロニクス分野も黒字転換した。
ソニーは7月27日、2006年4〜6月期(第1四半期)の連結決算(米国会計基準)を発表した。液晶テレビ「BRAVIA」やデジタルカメラの好調で、270億円の営業利益(前年同期は66億円の赤字)を確保。エレクトロニクス分野も黒字転換した。
売上高は前年同期比11.2%増の1兆7442億円、税引き前利益は同4.2倍の540億円、純利益は323億円(前年同期は73億円の純損失)。
エレクトロニクス分野の売上高は、前年同期比13.5%増の1兆2809億円。営業損益は同741億円改善し、474億円の利益を計上した。
BRAVIAが世界で好調。W杯効果も追い風になった。W杯効果は「4割増」と見積もるが、「予測よりも上げ幅は小さかった」(同社の大根田伸行・最高財務責任者)という。
プラズマ・ブラウン管テレビは減収減益だが、テレビ事業全体での売上高は前年同期比70%増となる約2600億円。営業損失は110億円で、同300億円改善し、下期黒字化への道筋を付けた。
デジカメは、コスト削減効果が出て大幅な増益。HD画質対応のDVカメラ、PC「バイオ」なども好調だった。
ゲーム部門は不調。売上高は同29.1%減の1225億円、営業損失は268億円で、前年同期の59億円から約4.5倍にふくらんだ。赤字幅の拡大は「PS3立ち上げに向けた開発投資を続けているため」(同社コーポレートエグゼクティブ兼SVPの湯原隆男氏)としている。
ハードの出荷台数は、PS2は同28%減の254万台、PSPが同3%減の202万台(関連記事参照)。ソフトはPS2が同6%減の3500万本、PSPが同86%増の910万本だった。
ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの携帯事業は好調。ウォークマン携帯「W810」や2メガピクセルカメラ付きの「K750」が業績に貢献した。
ソニー・ミュージックエンターテインメントを含むその他部門は、アルバムやシングルの売上げ減で減収減益。映画部門は「ダヴィンチ・コード」のヒットで売上高が伸びたが、広告宣伝費などがかさんで営業損失を計上した。金融部門は株式市況の低迷で減収減益だった。
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