未来の携帯音楽プレーヤーは、コードでもBluetoothでもなく、人間の体を使ってヘッドフォンに音を伝えるかもしれない――ソニーがそのような技術の特許を出願していることが明らかになった。
この特許は同社が2006年3月に米特許商標局(USPTO)に出願したもの。「人体通信システムおよび通信デバイス」というタイトルが付けられている。
同社によると、このシステムは人体の電界を利用し、人間の体を導電線代わりにしてデータを送信する。具体的にはこの発明は、音楽など比較的大容量のデータを人体を介して送信するシステムに関連しているという。
このシステムでは、導電性のある布で包んだ電極を人体に取り付けて、微量の電気を流すことで音の信号を伝える。ATRAC3plusのデータを48Kbpsで転送でき、消費電力が少なく、近くの通信システムとの干渉もないと同社は述べている。
ソニーは以前から人体通信技術を開発しており、昨年この技術を研究所展で披露した。
関連記事
- お台場で人体データ通信体験――ソニー研究所展
ソニー研究所の最新技術を体験できる展示会がお台場で開催中。人体データ通信や人間とコンピュータのジャズセッション、次世代インタフェースなどに触れられる。 - 人体通信の実用化に成功──松下電工が販売開始
人体を通信線に使う人体通信システムの実用化に松下電工が成功。入退室管理や電子マネーなど、幅広い分野への展開を図っていく。 - お肌の触れ合い通信? 人体通信を試してきました
人間の体が、イーサネットケーブル代わりに。そんな人体通信を、実際に試してみた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.