IBM、Macronix、Qimonda、相変化メモリ技術で成果
IBMほか2社が、不揮発性メモリ技術「相変化メモリ」のプロトタイプ化に成功。IEEEが主催する国際電子デバイス会議(IEDM)で研究成果を発表する。
米IBM、台湾Macronix、独Qimondaは12月11日、新しい不揮発性メモリ技術として注目される相変化メモリ(phase-change memory)技術の共同研究成果を発表した。3社はサンフランシスコで開催される、電気電子学会(IEEE)主催の国際電子デバイス会議(IEDM)において、12月13日に研究報告を行う。
3社は米西海岸と東海岸にあるIBM研究所において、相変化メモリのプロトタイプ設計、製造に成功。新メモリはセルへのデータ書き込みに必要な電力はフラッシュメモリの半分以下、スイッチング速度は500倍以上という高速を実現。また素子断面は3×20ナノメートルで、既存のフラッシュメモリよりはるかに小さく、これは半導体業界が2015年に達成する目標としているサイズとほぼ等しい。3社の今回の研究から、相変化メモリ技術は、ムーアの法則に則った小型化が実現可能であることを証明したという。
現在携帯機器用として普及している不揮発性メモリはフラッシュメモリだが、フラッシュメモリへの書き込み速度は非常に遅いうえ、およそ10万回の書き換えで寿命がくる。これは通常の家電製品では問題とならないが、ネットワークやストレージシステムのバッファメモリなど、頻繁な消去/書き込みが必要なシステムには不向きである。また現在のフラッシュメモリの設計では、最小線幅を45ナノメートル以下に縮小することは難しい。
相変化メモリは、記録素子に相変化物質GeSbを素材とした膜を用い、膜の一部を電気抵抗力の低い結晶状態にするか、電気抵抗力の高いアモルファス状態にするかで情報を記録する。状態の維持に電源は不要なため、電源を遮断してもデータが消去されない不揮発性メモリである。
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