Google AppsはMicrosoft Officeキラーになるか(2/2 ページ)
Googleはできるだけ控えめに言ってるのかもしれないが、Google AppsはついにMicrosoft Officeを追撃する製品になった。この製品にはMicrosoftに打撃を与えるだけの要素がある。
Google AppsにMicrosoft Officeのようなフル機能はない。特に、PowerPointに対応する機能はない。しかしそれ以外は、基本的な日常業務をこなす上で、Google Appsはほとんどのユーザーに必要な機能を提供してくれる。
マクロを多数使った高度なスプレッドシートをGoogle Spreadsheetsで扱えるだろうか? 扱えない。では、従業員の経費報告書作成は? 作業時間計算表は? 部門予算は? こちらは全部できる。
ではコストを考えてみよう。Google Appsは1アカウント当たり年間50ドル。Microsoft Office Professional 2007にアップグレードすれば最低でも329.95ドル。もちろん、幾つか割引はあるが、50ドルに近い値段で正規版を手に入れることはできそうにない。
Office、特にOffice 2007では、最初に払う料金は氷山の一角にすぎない。Outlookの真価を発揮させるためにはExchangeが必要だ。IMのためにはLive Communication Serverがいる、といったようなことだ。つまり、Microsoftに固執すれば経費がかさみ、それは増えるばかりなのだ。
もちろん、Google Appsより安い選択肢もある。わたし自身はOpenOffice 2.xが気に入っている。いや、これもOffice 2007と同じ機能をすべて持っているわけではない。Microsoftインフォメーションワーカー部門の事業戦略担当ジェネラルマネジャー、アラン・イェーツ氏がしばらく前に言った通り、OpenOffice.orgは1年前のMS-Officeのようなものだ。わたしの答えは当時も今も変わらない。「それが何か?」
ただし、OpenOfficeは自分のPCにインストールしなければならない。Google Appsなら、ユーザーに新しいオフィススイートのURLを教えるだけで済む。
Google Appsが違うタイミングで登場していたら、うまくいってもOfficeを徐々に切り崩すだけだと思っただろう。Officeを知っていて、Officeのほかは何も知らないというユーザーはあまりに多い。しかしMicrosoftはOffice 2007の新しいインタフェースで、Google AppsやOpenOfficeなど、Officeの代替製品すべてに手を差し伸べている。
Office 2007と新しいRibbonインタフェースでは、Microsoft Officeのユーザーを増やすのは、Google AppsやOpenOfficeよりもずっと難しくなるだろう。Microsoft Officeの決まり文句はこれまでずっと、「ユーザーが使い慣れたものだから」だった。
だが、使い慣れたものではなくなった。わたしがCIOだったとしても、あるいは社員5人程度のオフィスのコンピュータ通だったとしても、LinuxやMac OSを使おうなどとは想像もしないかもしれないが、Google Appsを試してみようと思うのは確実だ。安くて簡単で優れている。Microsoftはついに、オフィスアプリケーション市場で戦いに巻き込まれる。
誰か、来年の今ごろGoogle Appsがオフィススイート市場で、Firefoxがブラウザ市場で現在占めているのと同じくらいのシェアを確保するかどうかわたしと賭けをしないか? Webサイトトラフィック分析会社のNet Applicationsによると、2007年1月のFirefoxのシェアは13.7%だった。まさか、あり得ない? わたしはそうは思わない。
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