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平成電電元社長ら逮捕 巨額出資金めぐるトラブルが刑事事件に
破産した平成電電の佐藤元社長らが、同社の通信設備への投資を名目に投資家から出資金をだましとっていた詐欺の疑いで逮捕された。通信設備への出資名目で投資家から約490億円を集めていたとされ、巨額の架空投資事件に発展する可能性もある。
平成電電の佐藤賢治元社長らが、同社の通信設備への投資を名目に投資家から出資金をだましとっていたとして、警視庁は3月5日、詐欺の疑いで佐藤元社長ら5人を逮捕した。
平成電電は昨年6月に1200億円の負債を抱えて破産(関連記事参照)。同社の通信設備への出資金名目で1万9000人から約490億円を調達したとされ、返還を求める投資家との間でトラブルが起きていた(関連記事参照)。捜査の進展次第では、新興通信事業者をめぐる巨額の詐欺事件に発展する可能性もある。
逮捕されたのは佐藤元社長のほか、平成電電に通信機器などをリースしていた「平成電電システム」の元社長、平成電電の元取締役ら。
調べでは、佐藤元社長は2005年8月ごろ、平成電電システムに出資すれば10%の配当があるように投資家に偽り、計1億円をだまし取った疑い。
平成電電は、通信設備の大半を平成電電システムと「平成電電設備」の2社からリースで借り受ける方式で事業を展開していた。2社は特別目的会社(SPC)として匿名組合「平成電電匿名組合」を運営し、設備を証券化して投資家に販売する手法で資金を調達。投資家には「予定現金分配率10%相当」などと高利回りをうたっていた。
佐藤元社長は2社について「資本関係のない別の会社」と説明していたが、捜査当局は実質的には一体と見ているもようだ。
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