ニコニコ動画「γ版」で復活 「陰陽師」は着うたに
「ニコニコ動画」のクローズドγ版と、専用の動画投稿サイト「SMILE VIDOEO」がスタートした。β版で人気だった「レッツゴー!陰陽師」は、着うたとして配信するなど新しい試みも始めた。
ニワンゴは3月6日、DDoS攻撃とYouTubeからのアクセス遮断を受けてサービスを停止していた「ニコニコ動画」を、クローズドγ(ガンマ)版として再開し、専用の動画投稿サイト「SMILE VIDOEO」をスタートした。まずは事前に登録した10万ユーザー限定で公開し、3月中にオープンサービス移行を目指す。ニコニコ動画β版で人気だった「レッツゴー!陰陽師」の着うたを親会社のドワンゴが配信するなど、新しい試みも始めた。
ニコニコ動画γ版は、SMILE VIDEOとAmebaVision、フォト蔵に投稿された動画に、ユーザーがリアルタイムでコメントを付けられるサービス。β版になかった新機能として、動画にタグを付けて整理する機能と、お気に入り動画を整理できるユーザーページ機能を追加した。β版で利用していたYouTubeは、アクセス遮断を受けて利用を見合わせた。
SMILE VIDEOは、各種形式の動画を投稿すると、FLV形式に自動エンコードし、ニコニコ動画向けに公開できる動画投稿サービス。3月中には10Gbps以上の回線を確保する予定で「YouTubeなどに匹敵する、国内最大級の動画投稿サイトを目指す」(同社)という。
動画の削除申し立て受け付けフォームも備え、著作権を侵害した動画や、性的・暴力的な表現が含まれるなど規約違反の動画をチェックできる体制を築いた。加えて、権利者からの削除申し立てを受け付けるシステムも別途構築しているという。
クローズドγサービスのユーザーは、募集開始から24時間以内で上限の10万人に達し、募集を締め切った。「γテスト締め切りはネット史上最速の記録となった」(同社)。現在、サイト上で追加募集を行っており、インフラが整い次第、追加募集ユーザーも順次ログインできるようにする。
ニコニコ動画β版は、1月15日のオープン以来急速に人気を集め、1日あたりのページビューは3000万以上、コメント数は1カ月で2000万以上に上った。だが2月20日から22日にかけDDoS攻撃を受け、同時期にYouTubeからのアクセス遮断を受けてサービス中止を決定。γサービス公開に向けて準備を進めてきた。
あの「陰陽師」は着うたに ビジネスモデル構築へ
ビジネス化に向けた新たな取り組みも始まった。β版で計200万以上再生された人気格闘ゲーム「新・豪血寺一族 −煩悩解放−」のBGMに映像を組み合わせた「レッツゴー!陰陽師」の着うたは、ニワンゴ親会社のドワンゴが運営する着うた・着メロサイト「dwango.jp」で独占配信を始めた。「今後もこういった取り組みを、権利者と話し合いながら進めていきたい」(同社)
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