「現在はクリエイターにとってエキサイティングな時代だ」──4月17日、来日した米Adobe Systemsのブルース・チゼンCEOが記者会見を開いた。Adobeはこのほど、旧Macromediaの主要ツールも統合した「Creative Suite 3」(CS3)の英語版をリリース。チゼンCEOは、さまざまな分野のクリエイターを統合的に支援していくことを改めて約束した(関連記事参照)。
チゼンCEOは現在のクリエイターについて、「これまでプロのクリエイターはWebのみ、印刷のみ、モバイルのみ──と特定の分野に特化していた。だが現在はあらゆる種類の分野にまたがって対応していかなければならない」と指摘。PhotoshopやDreamweaverなど、CS製品のすべてを網羅したCS3の“全部入り”版となる「Master Collection」の全ツールを学ぶような必要に迫られてきているという。
Adobeは、こうしたクリエイターの負担を減らすため、例えばユーザーインタフェースを各CS製品で共通化したり、ワークフローを統合するなど、「ユーザーが学んだことを十分に活用し、統合していけるよう支援する」という。
同社の2007年度第1四半期(2006年12月〜2月)の売上高6億4940万ドルのうち、クリエイティブ市場向け製品は53%を占める。PDFなどのイメージも強いAdobeだが、クリエイティブ製品は経営の大黒柱だ。
Photoshopにはプロ用RAW現像ソフト「Lightroom」が加わったほか、CS3では医療画像や3Dオブジェクトを扱える「Extended」が追加されるなど、ファミリーがにぎやかになってきた。Photoshopは「デジタルカメラを扱っているすべての人にソリューションを提供するのが目標」(チゼンCEO)といい、オンラインでPhotoshop機能を提供するという「Express」にも触れた。「ソフトをユーザーに届ける新しい方法をAdobeも模索していかなければならない」(チゼンCEO)
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Adobe Systemsの12〜2月期決算は、売上高は業績予想並みの6億4940万ドル、純利益は前年同期比37%増で、業績予想を上回った。
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