Dell、「地球にやさしい」ノートPC3種を発表
企業顧客向けのこれらのノートPCは、米環境保護庁が推進する省電力化プログラムの新基準「Energy Star 4.0」に準拠している。
米Dellは企業顧客向けに、電気代の削減にもつながるであろう、より環境に配慮したノートPCを提供している。
Dellは5月9日、新しいノートPC3種を発表した。同社幹部によると、これらのノートPCは米環境保護庁(EPA)が推進している省電力化プログラムの新基準「Energy Star 4.0」に準拠するよう設定できるという。Energy Star 4.0は7月20日に有効化が予定されており、80%の電源効率とアイドル(待機)時の電力消費の低減が求められている。
今のところ、この最新のEnergy Star規格に準じた企業向けデスクトップPCを提供しているのはHewlett-Packard(HP)だけだ。
Dellが今回発表したのは、Intelベースの新しいノートPC「Latitude D630」と「Latitude D830」のほか、AMDプロセッサを採用した「Latitude D531」だ。
Dellは現在、世界のPC出荷台数でHPに次いで第2位だが、顧客からの要望に応えることを最大の指針に、デスクトップPCとノートPCの刷新に取り組んでいる。
5月1日には、Dellは従来の方針を転換し、デスクトップPCとノートPCへのUbuntu LinuxのプリインストールでCanonicalと提携したと発表している。また同社は、MicrosoftのWindows VistaとWindows XPのいずれかを顧客の要望に応じてプリインストールする選択肢も提供している。
技術面では、Dellは既にLatitudeノートPCの一部の機種で半導体ドライブ(SSD)のオプション販売を開始していたが、このオプションは9日に発表された新しいノートPCにも適用される。
Dellの製品グループ担当ディレクター、マーガレット・フランコ氏は声明文で次のように語っている。「顧客からは、最新機能を搭載するモバイル製品を求める声が届いている。ただし顧客は、そのために複雑さが増し、ビジネスから注意を削がれるようなことは望んでいない」
Dellはほかのベンダー各社とは異なり、Intelが先日発表した最新のノートPC用プラットフォーム「Intel Centrino Pro」をベースとするノートPCはまだ提供していない。その代わりにDellは、Intelの一部の新プロセッサとCentrino Proプラットフォームで提供される各種の機能を提供する方針だ。Dellによると、新しいIntel Centrino Proプラットフォームをベースとする同社初のノートPCは今年中に登場する見通し。
Dell幹部によると、新しいIntel Core 2 Duoプロセッサを組み合わせれば、Latitude D630とLatitude D830は性能が15%アップし、バッテリーの駆動時間は9時間以上になる。
またDellはこれと同じIntel Core 2 Duoプロセッサを用いて、ウルトラモバイルPCのD430と、PrecisionワークステーションシリーズのノートモデルM4300を年内に提供する方針という。
Latitude D630とLatitude D830は、Intelの新しいCore 2 Duoプロセッサを搭載する(Core 2 DuoプロセッサはCentrino Proプラットフォームに採用されている)。プロセッサのクロック速度は1.8GHzから2.4GHzで、800MHzのFSB(フロントサイドバス)、最大4Mバイトの2次キャッシュを搭載する。さらに、これら2種類のノートPCはIntelの965GMチップセットか965PMチップセットのいずれか、4GバイトのDDR2 RAM、最大160GバイトのHDDを搭載する。
どちらのPCでも、オプションとして、NANDベースのフラッシュメモリであるIntelのTurboMemoryが提供される。
D630は重量が約2キロで、14.1インチディスプレイを搭載し、価格は1189ドルから。D830は重量が約2.7キロで、15.4インチディスプレイを搭載し、価格は1249ドルからだ。
AMDベースのLatitude D531は、1.8GHzのSempron 3500+プロセッサか、クロック速度が1.6GHzから2.0GHzまでのTurion 64 X2デュアルコアプロセッサのいずれかを選択できる。さらにD531は、AMD M690Tチップセット、4GバイトのDDR2 RAM、最大120GバイトのHDD、14.1インチのディスプレイを搭載する。
Dellによると、Latitude D531の価格は839ドルから。
これら3種類のLatitudeノートPCはいずれも、Cingular WirelessのUMTS/HSDPAブロードバンド技術や802.11n WLAN規格のサポート、TPM 1.2などのセキュリティ機能のサポートなどを特徴とする。TPM 1.2はユーザーが暗号鍵を作成し、保存するための組み込み型の機能だ。
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