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「窃盗目的」マルウェアが急増中
Panda Softwareによると、ウイルスを広範囲にばらまくタイプよりも、こっそりPCに侵入して個人情報などを盗むタイプのマルウェアが増えている。
セキュリティ企業のPanda Softwareは5月31日、最近のマルウェアの傾向についての分析を発表した。
Panda Softwareによると、広範囲にわたり被害をもたらすウイルスやワームよりも、最近はトロイの木馬やボット、スパイウェアといったマルウェアが増える傾向にあるという。個人情報の入手などを狙ったものが多く、2007年第1四半期に出現したトロイの木馬の66%が窃盗用に設計されたものだった。
また、最近のマルウェアはルートキットなどを組み込み、検知されにくくなっているのも特徴。より長い期間PCに潜在し、スパムメールの送信やほかのPCの攻撃などを続ける。
マルウェアの数も急増しており、2006年に検知されたマルウェアの数は、過去15年間の累計に匹敵するという。このため、セキュリティ企業はこうしたウイルスすべてに対処できず、ユーザーがアンチウイルスソフトをインストールしていても、知らないうちにマルウェアに感染する場合が多くなっている。
Panda Softwareでは、PCの感染状況について世界的な調査を実施中で、データの収集への協力を呼び掛けている。調査は、「NanoScan」もしくは「TotalScan」を使ってPCをスキャンし、感染状況を調べるというもので、既に90万〜100万件のマルウェアを検知したという。データ収集への協力は、Webサイトで受け付けている。
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