欧州宇宙機関(ESA)は6月19日、火星への有人飛行を想定した520日間のシミュレーション「Mars500」への参加者を募集中であることを明らかにした。
火星への有人飛行は現時点ではまだ夢物語にすぎないが、将来実現するための第一歩として行う。長期にわたる宇宙での任務が人間に与える心理的、医学的影響を調査するのが目的としている。
ESAはロシアのInstitute of Biomedical Problems(IBMP)と協力、6人のクルーを参加させることを決定した。実際の火星飛行を想定した内容で、クルーは金属製のタンクで生活し、火星表面の探検シミュレーションも行う。また食事は国際宇宙ステーションと同じものが提供される。
場所はモスクワの特別施設内。2008年半ばから105日間の予備シミュレーションを行い、場合によっては再度105日間の予備実験を繰り返した後、2008年後半または2009年初旬から520日間の本番シミュレーションを行う計画。
ESAは現在、参加者12人を募集している。3回実施するシミュレーションで、各回に4人の参加が必要という。選別プロセスはESAの宇宙飛行士と同様の内容となる。
関連記事
- MS Wordの父、宇宙旅行から帰還
チャールズ・シモニー氏が14日間のミッションを終え、宇宙ステーションから地球に戻った。 - ホーキング教授が無重力飛行を体験へ
スティーブン・ホーキング教授が、Zero Gravityの提供する無重力飛行を体験することになった。 - Google Earth、欧州宇宙機関のコンテンツを追加
環境衛星から撮影した画像130点以上が、Google Earthのコンテンツに加わった。プランクトンの発生や黄砂の嵐などの自然現象の画像とそれに関する解説を見ることができる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.