ビクター、経営統合に伴い次世代リアプロの開発を見直し
ビクターがケンウッドとの経営統合をにらんだ事業計画を発表。カムコーダとカーエレを柱にする一方、リアプロについては次世代機開発を含めた基本戦略の抜本的見直しが行われる。
日本ビクターは7月24日、同社とケンウッドが経営統合に向けて資本・業務提携を行っていくと発表した(関連記事)。日本ビクターが8月10日付けで実施する総額350億円の第三者割当増資をケンウッドが200億円、筆頭株主のスパークス・グループが運営するファンドが150億円をそれぞれ引き受ける。両社はカーエレならびにオーディオ事業の協業を足がかりに、2008年をめどに経営統合を実現したい考え。
これをうけて日本ビクターは経営再建に向けた「アクションプラン2007」を発表。事業構造の改革を進め、収益基盤の強化を図る。
ディスプレイ事業とオーディオ事業は基本的に既存路線を踏襲しながら不人気モデルの販売停止や地域別販売戦略見直しなどを行うが、独自の表示デバイス「ILA」(D-ILA)を有するプロジェクター事業については、フロントプロジェクターはこれまで通り積極的な事業を推進していくものの、苦戦の続くリアプロジェクションテレビ(リアプロ)については「次世代機開発を含めた、基本戦略の抜本的見直し」を実施するという。
事業再建の柱と位置づけられているのがカムコーダとカーエレの両事業で、カムコーダは2008年モデルの前倒し投入などを行うことで、グローバルシェア20%の獲得を目指す。カーエレは既に開始されているケンウッドとの協業を通じたソフトウェアの共同開発や、OEM事業への取り組みを強めることで収益の拡大を狙う。
「まずは構造改革の完遂を目指すことになる。2008年は経営統合、2009年は成長がテーマ。業界内でのオンリーワン、量より質の販売戦略を展開していきたい」(日本ビクター 代表取締役社長 佐藤国彦氏)
「専業メーカーが世界的な存在感を弱めていることに危機感を覚えている。デジタル時代は開発費が膨大になるので、業界的にも再編は大きな課題となっているが、その課題に何らかの応えた示せれば」(ケンウッド 代表取締役会長 河原春郎氏)
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