「YouTubeの対策はまだ不十分」──JASRACなど、「まず削除」求める
「YouTubeの著作権侵害対策は評価するが、まだ不十分」――JASRACなどの権利者団体が、YouTube上の著作権侵害について協議した結果を報告した。
「YouTubeが著作権侵害対策を進めていることは評価するが、違法コンテンツが放置されており、対策は不十分」――日本音楽著作権協会(JASRAC)やキー局など24の事業者・団体は8月2日、著作権侵害防止について7月31日YouTube側と協議を行った結果を報告した。
両者の協議は2回目。協議でYouTube側は、動画や音声を自動識別できるフィンガープリント技術を活用した侵害防止システムを昨年12月から開発していることや、違法コンテンツをアップしないよう日本語の警告文を掲載していることなどを説明し、権利者側に理解を求めたという。
権利者側は「YouTubeと権利者側とには『違法にアップロードされた動画をなくす』という共通認識はある」とし、侵害防止システムの開発に期待を寄せつつも「これまでの対策では現状は改善されておらず、著作権を侵害している動画はすぐに削除すべき」と主張する。
「対策を行う姿勢は評価するが、システムの詳細な説明を何も受けておらず肯定も否定もできない。われわれが嫌だと言っているのだから、まずは違法な動画を消してほしい」――実演家著作権隣接センターの松武秀樹運営委員は言う。
JASRACの菅原瑞夫常任理事は「これだけ権利者が団結して交渉している国は日本以外にない。侵害防止システムの効果がどれくらいのものなのか分からないが、われわれが『なるほど』と思えるものを作ってほしい」とシステムへの不安と期待を述べた。
松武氏もまた「実演家もパフォーマンスをいち早くユーザーに届けたいという思いはあり、YouTubeの出方に期待している。YouTubeのユーザーには、実演家がばく大な費用と時間をかけてゼロからコンテンツを作っていることを理解してほしい」と、YouTubeとユーザーに対する複雑な感情を吐露した。
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