連邦取引委員会、サプリメント売り込み業者をスパム送信で摘発
効果のみられないダイエットやアンチエイジングのサプリメントを売り込むスパムを大量に送信していた業者に対し、差し止めの仮処分が言い渡された。
米連邦取引委員会(FTC)は8月23日、「フーディア」と呼ばれる植物を使ったダイエットサプリメントと、ヒト成長ホルモン(HGH)によるアンチエイジングサプリメントの売り込みを目的としたスパムメールを送信した業者を、スパム対策法(CAN-SPAM Act)違反で提訴したと発表した。
FTCによると、こうしたメールをクリックすると、2種類のサプリメントがさまざまな名称で販売されているWebサイトに誘導される。1種はフーディアゴルドニーを含み、減量効果があるとされるサプリメントで「HoodiaHerbal」「Hoodia Maximum Strength」などの名称で販売。もう1種はヒト成長ホルモンの分泌レベルを促進させ、老化プロセスを遅らせる「Perfect HGH」「Dr-HGH」だという。しかしFTCは、これらサプリメントには、宣伝文句にあるような効果はまったくないと断定している。
FTCのスパムデータベースが同サイトの運営業者から受け取ったスパムメッセージ数は8万5000通以上になる。またこれらスパムの多くはWebフォームハイジャッキングという手法を用いて送信されていたという。これは無関係な他社のWebサイトの入力フィールド(「Contact Us」が多い)にスパムメッセージを埋め込み、その会社からメールが送信されたように見せかける手法だ。
FTCはSili Neutraceuticalsとブライアン・マクデイド氏個人および同氏が運営するKayconを提訴した。罪状は、虚偽内容および詐欺ヘッダ情報を含み、明確なリンクを提供せず、実在する住所を明記しない商業メールを送信したなど。米連邦地裁はFTCの申し立てを受け、緊急の差し止めと資産凍結の仮処分を認めた。審理は27日に行われる。
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