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ユネスコと米国議会図書館、「World Digital Library」を共同設立
ユネスコと米国議会図書館が、世界各地の図書館や文化機関の資料のデジタル化と無料公開を目指し、デジタル図書館の開発に乗り出した。
ユネスコと米国議会図書館は10月17日、「World Digital Library」を共同設立することで合意したと発表した。同図書館は、世界各地の図書館や文化機関が保管する希少な資料をデジタル化し、インターネット上で無料公開することを目的とする。資料には原稿、地図、書籍、楽譜、録音、フィルム、印刷物、写真などが含まれる。
World Digital Libraryのプロトタイプは、10月19日までユネスコ本部で公開。プロトタイプは国連の公用語であるアラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語の6カ国語に加え、ポルトガル語に対応。資料を保管している機関、トピック、作成時、場所などによって検索できる。
World Digital Libraryイニシアチブには、個人や機関が40カ国以上から参加しており、国際図書館連盟(IFLA)も企画段階から加わっている。
設立の主要目的の1つは、発展途上国でのデジタル図書館設立であり、世界中のすべての国々が参加できるようにすることだという。また日々失われている貴重な文化資料保持も重要課題であり、ユネスコは世界中の資料保管を目指す「Memory of the World Programme」も立ち上げている。
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