NECが1月29日発表した2007年4〜12月期の連結決算は、営業利益が前年同期比2.1%増の434億円になった。前期に不振だった携帯電話端末や半導体が改善し、黒字を確保した。
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売上高は3.8%減の3兆3177億円。欧州の個人向けPC撤退などの影響で減収だった。営業益はIT/ネットワークソリューションで減益だったが、携帯電話端末、半導体の黒字化などで増益を確保。経常利益は、持分法投資損益の改善から73.8%増の193億円。純損益は、繰延税金資産の取り崩しなどの影響で100億円の赤字だった。
携帯端末とPCを含むモバイル/パーソナルソリューション事業の売上高は約15%減の6171億円。そのうち、PCを含む「パーソナルソリューション」は、欧州個人向けPC事業の撤退の影響から約19%減の3787億円。「モバイルターミナル」(携帯端末)は、海外事業の縮小で約8%減の2384億円だった。
減収の一方、事業体質の改善が奏功。モバイル/パーソナルソリューション全体の営業利益は104億円となり、営業赤字だった前年同期から450億円改善した。
10〜12月期、携帯端末は110万台を出荷し、特にNTTドコモ向けの「N905i」が好調だった。体質改善の結果、「四半期に100万台を出荷すれば黒字を確保できる」(同社)という。PCは損益とんとんで推移している。
通期の連結業績予想は変更せず、売上高は4兆7000億円(前期比1.0%増)、営業利益は1300億円(85.8%増)、経常利益は800億円(389.4%増)、純利益は300億円(228.7%増)。
通期予想に対する4〜12月期営業益の進ちょく率は3割強にとどまるが、「大型受注などで1〜3月期の実績はかなり見えており、達成できる」としている。
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