「日本のネット、優先的に投資」――MSの戦略
MSNのトップページが4月にリニューアルするほか、ユーザーが動画を投稿できる「Soapbox」をMSNビデオに追加する。MSは「大きな投資をしてでも、オンラインサービスを加速させる」という。
「大きな投資をしてでも、オンラインサービスを加速させたい。Yahoo!への買収提案も、そういう意思の表れだ」――マイクロソフトの笹本裕常務は3月10日、米Microsoft(MS)のオンライン戦略についてこう話した。
日本は「優先的に投資するマーケット」という。3月12日に、ユーザーが動画を投稿できる「Soapbox」をMSNビデオに追加するほか、4月にMSNのトップページのデザインをリニューアル。Windows Liveではパートナー企業との連携を進めていく。
「毎日使いたくなるサービスにしたい」
「毎日使いたくなるサービスを目指す」――MSNはトップページのデザインを4月にリニューアルする。現在の2カラム構造から3カラムに変更し、最上部には「Hotmail」「Windows Live Messenger」などのアイコンを、中央上部には「ニュース」を表示する。MSNには金融情報などに興味を持つユーザーが多いといい、左上部にはマーケット情報を掲載する。
3月12日には、ユーザーが動画を投稿できる「Soapbox」をMSNビデオに追加する。ユーザーから動画を募集するコンテストや、イベントとの連動企画などを実施する予定だ。
昨年10月にスタートした「MSN産経ニュース」は好調という。2月にはMSNビデオをリニューアルし、動画再生画面のサイズを拡大したほか、動画を見ながら検索する――といったことが可能になった。動画の再生前に15秒表示していた広告は、3分に1回の表示に変更した。
広告は「ロングテールよりも、ナショナルクラアント重視」
MSNの広告は、ナショナルクライアントによる出稿が増えているという。ナショナルクライアントの売り上げシェアは、昨年度前期は34%だったが、今年度前期は60%に拡大した。
「まずは、ロングテールではなく、プレミアムな広告主の期待に応えることに注力する。今後、買収したaQuantiveの技術を使って、ミドルからロングテールの広告も手がける」と同社の福徳俊弘業務執行役員は話した。
日本人はロボットとの会話が好き? 「まいこ」人気
Windows Liveは、パートナー企業との連携を強化していく考えだ。1月にはNTTコミュニケーションズと連携し、メッセンジャーから050番号のIP電話として発信できるサービスを始めた。2月にはWindows Live機能を利用できるネットカフェの会員向けサイトも開設している。
「これまでは自社ポータルがWindows Liveへの大きな入り口だったが、外のユーザーを獲得するためにはパートナーシップが重要だ」と同社Windows Liveチームの小野田哲也ディレクターは話す。
昨年11月に公開したWindows Live Messenger用会話ロボット「まいこ」や、2月に正式版を公開した「SkyDrive」は「予想以上にうけている」(小野田ディレクター)。
まいこは3月までに約10万ユーザーが利用した。国内ユーザーのMessengerでの会話のうち、0.4%をまいこが占めているという。
まいことの会話で交わすメッセージ数は、Messengerを利用した通常の会話時の7倍といい「日本のユーザーはロボットと会話するほうが好きなようだ」と小野田ディレクターは話した。今後まいこを活用した広告も始める予定だ。
国内のSkyDriveのユニークユーザーは、正式版を公開している38カ国中、米国に次いで2番目に多いという。
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