米AMDのフィル・ヘスターCTO(最高技術責任者)兼上級副社長が4月11日付で同社を辞めた。AMDは後任を置かない予定。
AMDにとっては厳しい週だった。第1四半期決算は減収の見通しとなり、2008年中に約1600人を削減すると発表した。
広報によると、へスター氏が辞めるのは、4月7日に発表した人員削減とは無関係だという。同氏は辞める前まで「Accelerated Computing」の開発を指揮していた。Accelerated Computingはハードウェアのアクセラレータという部品を従来のCPUと組み合わせて使ってアプリケーションのパフォーマンスを向上させ、アプリケーションがマルチプロセッサコアを活用できるようにする技術。
広報のドリュー・プレイリー氏によると、AMDは後任のCTOを置く代わりに、5事業部門の各CTOに技術開発を監督させ、AMDのプロセッサ開発の方向性を決めてもらう。
Accelerated Computingのプロジェクト責任者を務めるマイク・ユレール上級副社長が今後はこうした技術開発事業の責任者となり、ダーク・マイヤー社長の直属となる。
苦境続きのAMDは2007年、待望のクアッドコアOpteronプロセッサ「Barcelona」に設計上の欠陥が見つかったため提供が遅れると発表。4月9日には問題を修正したバージョンのプロセッサをOEM向けに出荷開始すると発表した。
AMDは4月17日に第1四半期決算を発表する見通し。
ヘスター氏はAMD入りする以前、早くからAMD Opteronを支持していたサーバ/スーパーコンピュータメーカーNewisys Data StorageのCEOを務めていた。IBMにも20年以上勤務している。
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